■第11試合 UFC世界ライト級タイトルマッチ/5分5R
【王者】BJ・ペン vs 【挑戦者】ショーン・シャーク
○[3R終了後/TKO]×

BJ・ペンの王座に、前王者シャークが挑むライト級タイトルマッチ。ステロイドチェックにより、王座を剥奪されたシャークはオクタゴンで敗れたわけでなく、ある意味では、王座統一戦という見方もできるメインイベントがいよいよスタート。

いきなり左ストレートを放つBJ、同時にシャークはテイクダウンを狙うも、BJは倒れず、互いの左フックが交錯する。しばらく、様子をうかがった両者、シャークのパンチがBJの顔面を捉える。組みついたBJは膝蹴りを放つも、再び距離をとると、シャークの左ジャブをスウェイでかわしていく。

ここで、BJが右ストレートを見舞うと、たまらずシャークは組みつき、ここでシャークの左ローにBJが左を合わせる。飛び込んで拳を振るうシャークだが、リーチの差が大きく、なかなか懐に踏み込むことができない。

BJが逆に踏み込んで右ストレートを放つ。大きく沸く場内。飛び込んでパンチを放つシャークをBJのカウンターが待ち構える。BJの左ジャブが2発ヒットしたところで、シャークがテイクダウンを狙ったが、ここで1R終了のホーンが響き渡る。

2R、前回のラウンドと同様に左ジャブから攻めるシャーク。BJは左ジャブから、右アッパーを放つが、シャークの左フックがBJを捉え、一瞬だが王者の足が止まる。

シャークは、BJの寝技を警戒して、テイクダウンをほとんど狙わないまま時間が進む。ヒザを蹴りあげるBJは、飛び込んできたシャークに左、距離をとってアッパーと自分の距離で戦う。一方のシャークは右目の下をカット。左から右、さらに左ジャブをヒットさせるBJは、時おり左を顔面に被弾するも、しっかり右手を添えており、ダメージを最小限にとどめている。

スタンドの攻防が続く世界戦、BJの左フックがヒットし、鈍い音が館内に響く。右から左を見舞うBJは、ここで強烈なローキックから組み付いてのヒザ蹴りを繰り出す。その足を掴んでシャークがテイクダウンを狙うが、BJが距離を取る。左右の目の周囲をカットしたシャーク。BJは一瞬、あばらを気にする素振りを見せた。

3R、スタンドのみの試合が続く中、両者の体の軸が徐々にぶれるシーンが出始める。すぐに修正するBJとシャーク、さすがに世界最高峰の戦いだ。BJが組みつき、シャークが距離を取ったところで顔面にパンチをヒットさせる。距離をつめたシャークのパンチで、BJが足を滑らせたのか、彼の動きから一瞬、滑らかさが消える。

右ローを放ったBJが、右へ回りながら左を放つと、シャークはここで右ローを放ち、BJの左足を蹴りあげる。ローを繰り返すシャーク、BJはリズムを掴むため、距離を置く。場内に響き渡るBJコール、ここでBJが左ストレートから右アッパー、更に左ストレートを放つ。ケージ際に追い込まれたシャークに、BJは飛び込んでジャンピング二―一閃。パンチが来ると思ったのか、低い姿勢を取ったシャークの顔面にヒザが直撃。後方に倒れこんだシャーク、一気に距離を詰めたBJが目にもとまらぬ速さで鉄槌が落とす。

ラウンド終了のコールに救われた感があったシャークだが、そのダメージで試合続行が不可能なのは一目瞭然。ここでBJ・ペンのTKO勝ちが宣告され、UFC世界ライト級王座初防衛となった。

試合後のインタビューで、リングアナから現ウェルター級王者ジョルジュ・サンピエール(以下、GSP)との再戦を尋ねられたBJは「それは、ファンが思えば実現すること。どう思う?俺とGPSの再戦が見たいかい?」と言葉を投げかけた。

最強同士の一戦で、完璧な勝利を手にしたBJ・ペン。強豪ひしめくライト級王座の防衛に専念するのか、それともリベンジを目指し、GPSとの再戦を目指すのか。今後の動向が気になる。

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