道はかなり険しくなってしまったが、仮にユベントスが今季セリエAでスクデットを獲得するとしたら、セリエBから昇格したチームがいきなり優勝するイタリア史上初のケースになる。
 セリエA昇格チームが得た史上最高位は、1977-78年のヴィチェンツァの2位だ。24ゴールをたたき出し得点王になったFWパオロ・ロッシに率いられたチームは優勝したユベントスに肉薄した。近年でいうとキエーボやパレルモがいきなりUEFA杯出場権を得るサプライズを起こした。

 欧州に目を向けてみよう。まだプレミアが発足する前、イングランドでは昇格チームが優勝するミラクルが5度あった。1906年のリバプール、1932年のエバートン、1951年のトッテナム、1962年のイプスウィッチ・タウン、そして1978年のノッティンガム・フォレストだ。
 ドイツでは1998年にカイザースラウテルンが奇跡を起こしており、フランスでも1950年のボルドーをはじめ過去に3例ある。
 欧州5大リーグではスペインとイタリアだけが同様の前例がない。両国が指向するサッカーの質はまったくちがうのに、こういった共通項があるのは興味深い。