【世界のモバイル】なぜ日本国内だけ利用制限?日本の定額データプランの謎
NTTドコモから待望のHSDPA回線を利用したパソコン向けパケット定額サービスが開始された。海外ではすでに多くの通信キャリアが"モバイルブロードバンドサービス"として提供しており、日本もようやく海外と同じサービスが提供されたことになる。しかし特定の端末しか利用できないという制限が残念だが……。
■利用端末が限定される定額データプラン
NTTドコモのPC向け定額データプランは2種類。最大3.6Mbpsの受信速度で50万パケットまで4000円/月、100万パケットを超えても10000円/月の"定額データプランHIGH-SPEED"と最大64Kpbs、4000円/月で定額の"定額データプラン64K"だ。前者はHSDPAの高速をフルに利用可能であり、後者は速度が遅いながらも安価にデータ通信を定額で利用できる。なおどちらのプランも別途プロバイダ料金としてmoperaUの加入が必要だ(月500円または800円)。日本は通信料金が他国より割高と言われているが、この料金は海外でも同程度の国もあり、定額データプランに関しては海外並みの料金を実現できているようだ。
提供されるデータ通信端末はNTTドコモが発売する専用品となり、他の通信キャリアで利用できないようにSIMロックがかけられている。価格は契約込みで数千円程度。一方海外ではパケット定額に加入するとSIMロックありのデータ通信端末は無料の国が多く、この点では日本は海外より割高感が感じられる。これは海外の通信キャリアはOptionやHuaweiなど、全世界にデータ通信端末を供給するメーカーの汎用品を採用しているのに対し、NTTドコモは自社専用端末を中心に提供してからなのだろう。海外では"データ通信端末は無料"が実は一般的になりつつあり、日本のほうがデータ通信端末価格が高いという逆転現象が起きているのだ。
さて定額データプランHIGH-SPEEDに加入すれば、無線LANや家庭のADSLを利用しなくともノートPCから快適にインターネットアクセスが可能になる。しかし利用にはNTTドコモが提供する端末しか利用できない。ちょうど日本ではHTCニッポンからHSDPAに対応したスマートフォン「HTC Advantage X7501」および「HTC P3600」の2機種が発売されたばかりだ。これら端末はSIMロックが無く、どこの通信キャリアのSIMカードも利用できる。もちろんNTTドコモのFOMAカードを装着して利用も可能だ。スマートフォンはインターネットサービスの利用に適した小型のデバイスであり、その活用にはパケット定額の利用は必須ともいえる。しかしNTTドコモの定額データプランは利用できないのだ。
日本的な考えであれば"通信キャリアのサービスは通信キャリアが提供する専用端末を使うのが当然"であるかもしれない。しかしHTCニッポンの提供するこれら2つの端末は海外でも同じ機種が発売されており、国を超えて各国で利用可能なものである。HSDPAに対応しており各国のパケット定額プランへの加入も問題なくできる。海外の通信キャリアは自社販売品だけではなく、HSDPAサービスならばHSDPAに対応している端末すべてを利用可能にしているのが通常だ。なぜならHSDPA、W-CDMA、GSMといった通信方式は世界中で共通の規格であり、キャリアが販売した端末しか利用できないというは無いのだ。
■パケット定額利用にメーカー端末を開放すべき
もしもNTTドコモが"自社販売端末のみが同社の回線利用に適合する"というのであれば疑問が生じる。なぜなら同社のFOMAが採用する方式はW-CDMA/HSDPAであり、これはNTTドコモの独自規格ではない。またHTCニッポンが発売するHSDPA端末にFOMAカードを装着しmoperaUに加入すれば、従量料金でパケット通信を利用できる。パケット通信ができるにも関らず、定額だけが利用できないという制限を加える理由はあるのだろうか?
またNTTドコモは海外からのローミング利用を受け入れている。海外のW-CDMA端末を所有する日本への渡航者は問題なくNTTドコモの回線を利用できる。11月13日にはNTTドコモなどが加入するアジアの通信キャリア連合「Conexus Mobile Alliance」が国を超えたローミングデータ料金の新しいプランを2008年に提供すると発表した。これまでの従量料金ではなく、国際ローミング中もパケット割引きパックが提供される予定とのことだ。これは逆に海外からのローミング利用者にも、日本国内でノートPCなどを利用したパケット通信に対して割引き料金が適用されることになる。料金設定は同連合に加入する各国の通信キャリアが設定するが、プランによっては日本でのパケットパックより割安な料金が提供される可能性もありうる。また将来はローミング中でも短期間のパケット定額が提供される可能性もあるだろう。このようにNTTドコモが発売しない、海外の携帯電話やデータ通信端末を使っても日本でパケットを割安で利用できる時代が目の前に迫っているのだ。にもかかわらず日本国内ではNTTドコモ以外の端末での定額データプランが利用できない理由はどこにあるのだろうか?
iモードなど日本の通信キャリア固有のサービスを利用するのであれば、通信キャリアが販売する専用端末を利用する必要があるかもしれない。しかしノートPCなどからのデータ通信は単純にパケット通信しか行わない。NTTドコモの通信回線を利用するのに「ドコモ発売のFOMA端末」と「ドコモ以外が発売するW-CDMA/HSDPA端末」の区別をする必要があるのだろうか。ましてやスマートフォンでの利用ならばノートPCよりも時間あたりのパケット使用量は少ないはずで、回線への負荷も少ないはずだ。
海外ではHSDPA/HSUPAをノートPCから利用する"モバイルブロードバンドサービス"の普及が広まっている。それに合わせてHSDPAモジュールを内蔵したノートPCの数も増えている。もしもノートPCメーカーがそれらのモデルを日本で発売する際、NTTドコモ用、ソフトバンク用、のようにモデルを分けることになるのだろうか。同じHSDPAという規格を採用しているのであれば、通信キャリアとは無関係にメーカーがノートPCを発売し、そして定額データプランの利用が可能になるのが本来の姿に思えるのだ。すなわち定額データ通信に関しては、通信キャリア専用端末利用という制限は無くすべきではないだろうか。
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山根康宏
著者サイト「山根康宏WEBサイト」
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NTTドコモのPC向け定額データプランは2種類。最大3.6Mbpsの受信速度で50万パケットまで4000円/月、100万パケットを超えても10000円/月の"定額データプランHIGH-SPEED"と最大64Kpbs、4000円/月で定額の"定額データプラン64K"だ。前者はHSDPAの高速をフルに利用可能であり、後者は速度が遅いながらも安価にデータ通信を定額で利用できる。なおどちらのプランも別途プロバイダ料金としてmoperaUの加入が必要だ(月500円または800円)。日本は通信料金が他国より割高と言われているが、この料金は海外でも同程度の国もあり、定額データプランに関しては海外並みの料金を実現できているようだ。
提供されるデータ通信端末はNTTドコモが発売する専用品となり、他の通信キャリアで利用できないようにSIMロックがかけられている。価格は契約込みで数千円程度。一方海外ではパケット定額に加入するとSIMロックありのデータ通信端末は無料の国が多く、この点では日本は海外より割高感が感じられる。これは海外の通信キャリアはOptionやHuaweiなど、全世界にデータ通信端末を供給するメーカーの汎用品を採用しているのに対し、NTTドコモは自社専用端末を中心に提供してからなのだろう。海外では"データ通信端末は無料"が実は一般的になりつつあり、日本のほうがデータ通信端末価格が高いという逆転現象が起きているのだ。
さて定額データプランHIGH-SPEEDに加入すれば、無線LANや家庭のADSLを利用しなくともノートPCから快適にインターネットアクセスが可能になる。しかし利用にはNTTドコモが提供する端末しか利用できない。ちょうど日本ではHTCニッポンからHSDPAに対応したスマートフォン「HTC Advantage X7501」および「HTC P3600」の2機種が発売されたばかりだ。これら端末はSIMロックが無く、どこの通信キャリアのSIMカードも利用できる。もちろんNTTドコモのFOMAカードを装着して利用も可能だ。スマートフォンはインターネットサービスの利用に適した小型のデバイスであり、その活用にはパケット定額の利用は必須ともいえる。しかしNTTドコモの定額データプランは利用できないのだ。
日本的な考えであれば"通信キャリアのサービスは通信キャリアが提供する専用端末を使うのが当然"であるかもしれない。しかしHTCニッポンの提供するこれら2つの端末は海外でも同じ機種が発売されており、国を超えて各国で利用可能なものである。HSDPAに対応しており各国のパケット定額プランへの加入も問題なくできる。海外の通信キャリアは自社販売品だけではなく、HSDPAサービスならばHSDPAに対応している端末すべてを利用可能にしているのが通常だ。なぜならHSDPA、W-CDMA、GSMといった通信方式は世界中で共通の規格であり、キャリアが販売した端末しか利用できないというは無いのだ。
■パケット定額利用にメーカー端末を開放すべき
もしもNTTドコモが"自社販売端末のみが同社の回線利用に適合する"というのであれば疑問が生じる。なぜなら同社のFOMAが採用する方式はW-CDMA/HSDPAであり、これはNTTドコモの独自規格ではない。またHTCニッポンが発売するHSDPA端末にFOMAカードを装着しmoperaUに加入すれば、従量料金でパケット通信を利用できる。パケット通信ができるにも関らず、定額だけが利用できないという制限を加える理由はあるのだろうか?
またNTTドコモは海外からのローミング利用を受け入れている。海外のW-CDMA端末を所有する日本への渡航者は問題なくNTTドコモの回線を利用できる。11月13日にはNTTドコモなどが加入するアジアの通信キャリア連合「Conexus Mobile Alliance」が国を超えたローミングデータ料金の新しいプランを2008年に提供すると発表した。これまでの従量料金ではなく、国際ローミング中もパケット割引きパックが提供される予定とのことだ。これは逆に海外からのローミング利用者にも、日本国内でノートPCなどを利用したパケット通信に対して割引き料金が適用されることになる。料金設定は同連合に加入する各国の通信キャリアが設定するが、プランによっては日本でのパケットパックより割安な料金が提供される可能性もありうる。また将来はローミング中でも短期間のパケット定額が提供される可能性もあるだろう。このようにNTTドコモが発売しない、海外の携帯電話やデータ通信端末を使っても日本でパケットを割安で利用できる時代が目の前に迫っているのだ。にもかかわらず日本国内ではNTTドコモ以外の端末での定額データプランが利用できない理由はどこにあるのだろうか?
iモードなど日本の通信キャリア固有のサービスを利用するのであれば、通信キャリアが販売する専用端末を利用する必要があるかもしれない。しかしノートPCなどからのデータ通信は単純にパケット通信しか行わない。NTTドコモの通信回線を利用するのに「ドコモ発売のFOMA端末」と「ドコモ以外が発売するW-CDMA/HSDPA端末」の区別をする必要があるのだろうか。ましてやスマートフォンでの利用ならばノートPCよりも時間あたりのパケット使用量は少ないはずで、回線への負荷も少ないはずだ。
海外ではHSDPA/HSUPAをノートPCから利用する"モバイルブロードバンドサービス"の普及が広まっている。それに合わせてHSDPAモジュールを内蔵したノートPCの数も増えている。もしもノートPCメーカーがそれらのモデルを日本で発売する際、NTTドコモ用、ソフトバンク用、のようにモデルを分けることになるのだろうか。同じHSDPAという規格を採用しているのであれば、通信キャリアとは無関係にメーカーがノートPCを発売し、そして定額データプランの利用が可能になるのが本来の姿に思えるのだ。すなわち定額データ通信に関しては、通信キャリア専用端末利用という制限は無くすべきではないだろうか。
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山根康宏
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