シーズンを通じて好位置をキープしながら、終盤の混戦にもまれ、終わってみれば5位とインタートト杯を勝ち上がらなくてはUEFA杯に進めなくなったランス。とくに引き分けでもチャンピオンズリーグ出場権を獲得できる可能性があった最終戦で、来季の降格が決まったトロワに0―3とまさかの惨敗を喫したのが悔やまれる。

 先週にはジロ監督が辞任を表明し、後任に注目が集まっていたが、驚くべき人物の就任が決まりそうだ。1961年から2005年まで42シーズン(2000年に一度辞任し、翌年に復帰)にわたってオセールで監督を務めたギィ・ルー氏がその人。レキップ紙などが伝えている。

 ルー氏は、1980年にオセールをリーグ・アンに引き上げて以来、4度フランス杯を制し、1996年にはリーグ優勝、1997年にはインタートト杯優勝を成し遂げている。

 古くはバジル・ボリ、エリック・カントナ、ローラン・ブラン、最近では、ジブリル・シセやフィリップ・メクセスなど、数々の大物選手を育て上げた名将。明晰なサッカー理論をもちながら人情味あふれる飾らない人柄で選手から慕われた。引退後は解説者として活躍。的確な分析に加え、率直な物言いと“オヤジギャグ”で、サッカーファンの間だけにとどまらない人気者となっている。選手を息子のように可愛がり、私生活にも口をはさむ熱血指導ぶりは、本人が出演したユーモラスなコマーシャルのネタにも使われた。

 レキップ紙は、5日の正午にルー氏が記者会見でランスの監督就任を発表する見通し、と報じている。