ライブレポート:植村花菜/品川ステラボール

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 2006年は、大晦日に大阪・梅田芸術劇場シアタードラマシティーで行ったワンマンライブ「アリガトウエムラ2006」で締めくくった植村花菜。年明け4日には、2作目となるアルバム「しあわせの箱を開くカギ」を発売。同日に東京・品川プリンスホテル ステラボールでワンマンライブ「ガンバロウエムラ2007」を行った。

 昨年は、アコースティックギターを手に初の全国ツアー「ギターと私」を回り、その後「ギターと私達」としてギターとパーカッションを加えたシンプルな編成でワンマンライブを行った植村花菜だが、この日は本人含む6人からなるバンド編成。恋愛の曲から解き放たれたかの様な5作目のシングル「紙ヒコーキ」から軽やかにライブがスタートすると、最初のMCでは「年の始めからこんなにいいライブを観られて2007年はいい年になりそうだな、と思えるライブをやっていきたいと思います」と自信に満ちた挨拶をしてみせた。

 セカンドシングル「ミルクティー」はバンド編成のライブならではの曲で、シリアスな彼女の歌声とドラマティックなリズム展開が一体となってスケールの大きさを感じさせる。ユーミンのカバー曲「やさしさに包まれたなら」をブレスの一つ一つが響き渡る様な静けさの中でしっとりと歌い上げると、誰もが知る名曲を臆することなく自分なりに表現することにより、植村花菜というアーティストの個性をより強く認識させた。

 ライブ中盤は「ギターと私たち」さながら少人数編成のコーナー。ギターを置いて椅子に腰掛けると、「会いたい」ではサポート狩野氏のギターをバックに切ない感情の揺れを巧みに表現し、「melody」ではアレンジャーでもある澤近氏のピアノと観客の手拍子をバックに明るく歌う。そして、「ギターと私」の雰囲気を味わってもらいたい、と「月のない夜」を星空をバックに単身披露した。

 メンバー紹介の後は、セカンドアルバム「しあわせの箱を開くカギ」で初挑戦したというマイナー調の新境地「冷たい雨」を情熱的に歌い上げ、「歌いたいから歌うだけ」では、客席一人一人と目を合わせる様にステージを左右に歌い歩き、客席からは大合唱が起きる。本編最後は彼女のアーティスト活動の初期衝動とも言える曲「いつも笑っていられるように」で締めくくった。

 アンコールでは、バンドメンバー全員が黒のロングTシャツに着替えて登場すると、新しい年の幕開けに相応しい最新シングル「光と影」からスタート。この日は彼女の24歳の誕生日であり、メンバーとスタッフが「Happy Birthday」の合唱とともにバースデーケーキとプレゼントを手渡しするというサプライズもあった。そして、ラストは彼女の決意表明を感じさせる曲「花」を客席とともに歌うと、「24年間で最高の誕生日になりました」と感謝の言葉を述べて、この日のステージを後にした。

演奏曲目
01. 紙ヒコーキ
02. 大切な人
03. トゲと花
04. ミルクティー
05. ねっ!
06. キセキ
07. やさしさに包まれたなら
08. 会いたい
09. 月のない夜
10. melody
11. 冷たい雨
12. しあわせのカギ
13. 歌いたいから歌うだけ
14. 恋の魔法
15. いつも笑っていられるように
- アンコール -
16. 光と影
17. ヘイホー(腹ペコブギウギ)
18. 花

植村花菜 - アーティスト情報

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