代用監獄廃止を求める市民集会「このままでいいのか?!代用監獄」(日本弁護士連合会と東京弁護士会など主催)が24日、東京都千代田区の弁護士会館で開かれ、代用監獄の勾留経験者が「ケダモノ扱いされた」などと実情を語った。

 東京都立川市で2004年2月、防衛庁官舎の郵便受けにイラク派兵反対のビラを投函したことを理由に逮捕された高田幸美さん(最高裁に上告中)は、「代用監獄では、捜査する側である警察官が被疑者の身体をすべて管理する。被疑者は何をするにも警官の許可が必要で、従わないと罵倒されるなど徹底的に服従させられる。このようなことは捜査で刑事と対峙する時に、少なからぬ影響を与えるのではないか」と指摘。また、「第3者の目がないので、不当な取り調べがエスカレートする」といい、「罪を認めた人の中には、取り調べ中に飲食物やタバコをもらい、まるで取り調べが息抜きになっているような被疑者がいた。しかし、私は黙秘していたので、警察官から『立川を歩けないようにしてやる』『この立川の浮浪児』などとたくさん怒鳴られた」と明かした。

 また、東京の西武新宿線で2000年、痴漢をしたとして逮捕された矢田部孝司さん(二審で無罪確定)は、「警察官の態度は高圧的で、いきなり『会社でストレスがたまっているからやったに違いない』と決め付けた。否認も何もあったものじゃない」と振り返り、「取り調べのビデオ撮影が必要だろう」と語った。

 代用監獄とは、勾留が決定した被疑者を警察署の留置場に収容できる制度。刑事訴訟法では勾留決定後、被疑者を法務省が管轄する拘置所に移すことになっているが、監獄法は警察署の留置所を代用することを認めている。日本弁護士連合会では、警察は被疑者を拘禁している状況を不当に利用することがあり、えん罪の温床になっているとして、代用監獄の廃止を求めている。【了】