電話やはがきなどで相手をだまし、指定した口座に現金を振り込ませる「振り込め詐欺」。警視庁の公式サイトによれば、振り込め詐欺には「オレオレ詐欺」「架空請求詐欺」など様々なタイプがあるという。

そんな振り込め詐欺に確固たる決意で立ち向かう意思を表明したポスターが、いまツイッター上で注目を集めている。


以下画像は神奈川県くらし安全交通課提供

「キャッシュカードわたさない」
「暗証番号わたさない」

との文言とともに、メラメラとした炎をまとって黒服の不審者に毅然と立ち向かうおばあさん。

まるで格闘漫画の表紙のようだが、こちらは神奈川県が制作した振り込め詐欺対策のポスターだ。印象的なデザインのポスターにツイッター上では、

「インパクトがすごいです」
「迫力ありすぎだろ...」

との声が相次ぎ、話題となっている。

デザインの狙い、聞いてみた

話題のポスターを制作した神奈川県くらし安全交通課の担当者は2019年5月10日、Jタウンネットの取材に応じ、制作の経緯について、

「とある漫画家さんにお願いして案をいくつか作ってもらい、課内で選別しました。キャッシュカード受け取りの詐欺が流行っていることを受けて制作しています」

と話した。ポスターは19年度になってから配布を開始。全部で16万枚制作し、各警察署に11万枚と県内33か所ある市町村に1000枚ずつ配布したという。残りはキャンペーン時に手渡しで配布しているそうだ。

「インパクトのあるポスターを作らないと見てもらえないのではと思い、こちらのデザインにしました」

と担当者。

話題のポスターのほかにも、振り込め詐欺の受け取り役に加担した若者を描いたバージョンも制作。18年度(平成30年)の県内の振り込め詐欺被害が過去最悪を更新したことを受けて、啓発に余念がないようだ。



「ポスターに注目してもらって、こういった手口があるということを知ってもらいたいです。多くの方々に評価してもらえると励みになります」(担当者)

自分だけは大丈夫と思わず、細心の注意を払っておくことは必要だ。つねに炎のおばあさんを心に留めながら、くれぐれも被害に遭わないようにしていただきたい。