ガス・ヴァン・サント監督とホアキン・フェニックス
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 現地時間20日、第68回ベルリン国際映画祭で実在した漫画家ジョン・キャラハンを描いた映画『ドント・ウォーリー・ヒー・ウォント・ゲット・ファー・オン・フット(原題) / Don't Worry, He Won't Get Far on Foot』の会見が行われ、ガス・ヴァン・サント監督、主演のホアキン・フェニックス、共演のウド・キアが出席した。コンペティション部門出品作。

 アルコール依存症だったキャラハンは、バーで知り合った男の車で交通事故に遭い、足が麻痺して車椅子の生活となった後、漫画家としてのキャリアを築いた。キャラハン役のホアキン、ウド以外にも、ルーニー・マーラ、ジョナ・ヒル、ジャック・ブラックなど豪華キャストが集った。ちなみに、ルーニーは実生活でもホアキンと暮らしていることが報じられている。

 ジョン・キャラハンの半生の映画化は、サント監督の『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』に出演したロビン・ウィリアムズさんがきっかけだったという。サント監督は「彼(ロビン)はジョン・キャラハンの作品が好きだということもありました。そして、事故に遭ったクリストファー・リーヴ(『スーパーマン』)と友達で、彼の名誉のためにも体の不自由な人物を演じたがっていたのです」と明かした。

 さらにサント監督が「事故は飲酒の結果だと彼(ジョン)はいつも考えていました。本作は身体的なリハビリと、アルコール依存からのリハビリのストーリーでもあります」とコメントすると、ホアキンも「飲酒こそが障害だよ、実際」と付け加えた。

 また、ホアキンは「姿を見せるのとプレス対応、以上。という感じで映画祭は嫌いだった。でも昨晩、ガス(・ヴァン・サント監督)がベルリナーレ・タレント(新人育成部門)をやっているのを見て、映画祭のありがたみがわかったよ」ともコメントしていた。(取材・文:山口ゆかり / Yukari Yamaguchi)

第68回ベルリン国際映画祭は現地時間25日まで開催