青木ヶ原樹海で偶然遺体を発見したYouTuberだが…(画像は『Metro 2018年1月2日付「YouTuber Logan Paul posts sickening video of dead body in forest to 15 million subscribers」(Picture: YouTube)』のスクリーンショット)

写真拡大

山梨県富士河口湖町と鳴沢村にまたがって広がる青木ヶ原樹海。ここは「自殺の名所」と囁かれているが、自治体の管理により年々自殺者の数は減少している。しかしこのほど世界トップYouTuberが男性遺体を発見し、その様子がYouTubeに投稿された。その後、この米YouTuberには批判が殺到したため動画は翌日に削除、YouTuberはツイッターで謝罪した。英メディア『Metro』『Mirror』などが伝えている。

1,500万人超のチャンネル登録者を持つ米YouTuberのローガン・ポールさん(22歳)は2017年12月31日、ツアーガイドを伴って複数の友人とともに山梨県の青木ヶ原樹海に立ち入り、動画を撮影していた。

動画の冒頭部分は楽しそうな雰囲気であったが、森の奥へと進むローガンさんらがひとりの男性の首つり遺体を発見した時、状況が一転した。まったくの偶然により初めて遺体を目にしたローガンさんは、なんとか冷静さを保とうとし、カメラに向かってこのように話しかけている。

「人生で初めて、遺体というものを見た。自殺はジョークでも何でもない。うつ病や精神疾患は真剣な問題でジョークにしてはいけない。僕たちは今日、呪われていると噂された樹海にやってきたけど、まさか現実にこのような光景を見ることになるとは思ってもいなかった。」

ローガンさんらはショックを露わにしながらも撮影を続け、カメラは遺体を捉えた。顔部分にはボカシが入っていたが、紫色に変色した手や首から下の部分ははっきりと映し出されている。ローガンさんは、カメラに向かって「この動画は、今までの撮影の中で最もリアルなものとなった。遺体を見つけたことは多分運命だったのだろう」と語り、自殺を考えているかもしれない閲覧者に向けて「君はひとりじゃないから」と励ましの言葉を投げかけるシーンが撮影された。

その後、一行のツアーガイドの男性は警察に通報したようだが、樹海を出たローガンさんらは入口の駐車場で引き続き撮影を続けており、友人らと笑いあう様子も収められている。「あのような光景を目の当たりにして、笑うことで何とか自分を保とうとしたんだ」と説明したが、この動画を見た人々からは「若者の死をネタにYouTubeに投稿して、億万長者でも狙っているのか」「自殺はジョークじゃないのよ! なんでこんな動画を投稿するの。子供たちだって見るかも知れないでしょう」「こんな投稿で収入を得ようとするなんて最低」「お前なんかYouTuberとして成功する価値などない」などと批判が殺到した。

1日にして600万回以上の視聴回数を得た動画は、投稿の翌日に削除された。批判の中には「ローガンのYouTubeチャンネル自体を廃止しろ」という声もあったようだ。これを受けてローガンさんは1月2日に自身のツイッターアカウントにこのような謝罪文を投稿した。

「本当に申し訳なかったと思っています。こんなに批判を受けたのは今回が初めてです。僕は周りを良い人たちに恵まれて、僕自身いつも正しい判断で行動していると信じてきました。でも僕も人間です。過ちを犯してしまうこともあります。この投稿は、閲覧数を稼ぐことを目的としたものではありませんでした。結果として多くの人が閲覧してくれたけれど、僕としては自殺は止めよう、自殺を考えている人を阻止しようというポジティブな呼びかけの意図で投稿したのです。もし、この投稿で自殺を考えていた人が思い留まってくれるのであれば、その価値があると思ったのです。僕の投稿が毎回、大きな影響力を持つことは知っていたので、それに対する責任も十分自覚していたつもりでしたが、初めて自分の力を間違った方向へ導いてしまったことを反省しています。もう二度とこのようなことはしません。」

このニュースを知った人からは「こういう無責任な投稿には吐き気がする」「遺体を発見して、笑い声を漏らすという神経が分からない」「これだけ閲覧数を獲得して収入を得ているんだから、批判なんて本当は気にしていないんじゃないの?」「私の息子は26歳の時に自殺したの。自殺者の遺族を悲しませるような動画を投稿するなんて、悪でしかないわ」「閲覧数を得るためじゃないって…何を嘘ついているんだ」といった声があがっている。

画像は『Metro 2018年1月2日付「YouTuber Logan Paul posts sickening video of dead body in forest to 15 million subscribers」(Picture: YouTube)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)