今年9月、東京の王子駅に子どもが母親あてに書いた張り紙が貼られ、話題となった。張り紙の内容に反響があったのはもちろんのこと、東京メトロの対応にも称賛の声が寄せられた。中国メディアの網易は24日、この一件を通して日本を見直し、中国も日本から考え方を学ばなければならないとする記事を掲載した。(イメージ写真提供:123RF)

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 今年9月、東京の王子駅にある子どもが母親あてに書いた張り紙が貼られ、インターネット上で話題となった。張り紙の内容に反響があったのはもちろんのこと、東京メトロの対応にも称賛の声が寄せられた。中国メディアの網易は24日、この一件を通して日本を見直し、中国も日本から考え方を学ばなければならないとする記事を掲載した。

 この張り紙は、2人の子どもが母親あてに書いたものと思われ、「ママげんき?電話して」、「まってる」という内容だった。子どもの母親は理由があって子のもとを離れ、この駅は母と子でよく利用した駅なのではないかと思われる。

 しかし、いずれにしても日本では建物に無断で張り紙をすることは禁じられている。ところが東京メトロは異例の対応を取り、子どもたちの気持ちを考えて、しばらくしてから撤去する、との文書を公開した。

 この件はネット上で広まったが、記事が「意外」だとしたのは、国民の反応だ。規則に違反したとして駅長を責める声はなく、むしろ誰もが子どもの幸せを願い、駅長の「神対応」を称賛した。そのどこが「意外」だったのだろうか。

 記事は、日本が規律正しくこんなにもきれいなのは、厳しい法律に縛られていて、違反すれば厳しい処罰が待っているからだと思っていたと説明した。しかし、まじめで融通が利かないと思っていた日本人が「非常な寛容さ」を示したことで、考え方を改めたという。

 中国では、多くの人が法律の抜け穴を探すと同時に、法律をかさにして権力を振りかざす行為も見られる。都市監理員による露天業者への暴力的な取り締まりなどはその一例だ。しかし記事は、制度とは本来「国民が平和に暮らせる社会」のためにあるはずであり、中国は日本に倣って初心にかえるように訴えた。法律の順守と融通はバランスが難しいものだが、いずれにしても張り紙の子が幸せになっていることを願いたい。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)