「ファミチキ先輩」コスプレでギネス挑戦

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ファミリーマート(東京都豊島区)が、全国各地の加盟店の店長やスタッフ871人を横浜市内の会場に集めて実施した「ギネス挑戦イベント」に、インターネット上の一部で否定的な声が上がっている。

問題視されているのは、企画に参加した加盟店スタッフらの交通費が「全額自腹」だった点だ。これにネット上で、「なんだこのブラック自慢は」との指摘が出ているのだ。J-CASTニュースがファミマ本部や複数の参加者に話を聞くと、意外にも...。

スタッフらが「ファミチキ先輩」のコスプレ

ファミマは2017年10月16日、ギネス世界記録が認定されたと、公式サイトなどで発表した。「同じマスコットに仮装して集まった最多人数」に、加盟店のスタッフらが挑戦したのだ。

この記録への挑戦イベントは、9月26日に横浜国際平和会議場で行われた。会場に集まったのは、全国の加盟店の店長やスタッフら総勢871人。宮城県や鹿児島県の加盟店など、遠方からの参加もあったという。

参加者らは、会場で配布された同社のマスコット「ファミチキ先輩」のコスチュームを一斉に着用。結果、ギネス認定員の審査により871人のうち775人が「ファミチキ先輩の仮装をしている」と認められ、世界記録の挑戦に成功したというのだ。

なお、ファミマ側が発表した文書によれば、企画に参加したスタッフからは、

「加盟店が一丸となって頑張り、達成することができた。今後もさらに頑張っていきたい」
「働く意欲が湧く。ただのコンビニという感じではなくて楽しい」

といった好意的な意見が出たという。

だが、インターネット上の一部では、この企画に参加した加盟店スタッフの交通費が「自腹」だったことに注目が集まることになった。ネット掲示板「2ちゃんねる」上に、

「なんだこのブラック自慢は せめて手当出せよ」
「自腹(笑) やりたくてやったやついないだろ」
「こういうパワハラ本当やめた方がいい」
「今時そんなことしていたら大問題になるってわかるだろ」

との書き込みが寄せられたのだ。なかには、加盟店は本部からの招集を断りづらいのではないか、などと憶測するユーザーも複数出ていた。

「強制はされていません」

はたして、こうしたネット上の「ブラック指摘」は正しいのか。ファミリーマートの広報担当者は10月17日のJ-CASTニュースの取材に対し、今回の企画の趣旨について、

ファミリーマートでは『全社一丸』をスローガンに掲げており、加盟店と一体となって大きな目標に挑みたいという思いから、ギネス挑戦企画を実施しました」

と説明。その上で、交通費が「自腹」だったことに一部で批判が出ている点については、

「今回の企画は、全国の約1万8000軒の加盟店に事前に条件を通知した上で、参加を打診しました。ですので、交通費を各自で負担してもらうという点も、皆さん理解した上で参加を頂いたものと考えております」

と回答した。

実際、J-CASTニュースが17日、遠方からこの企画に参加したというあるファミリーマート店舗のスタッフに話を聞くと、

「本部から参加を強制するようなプレッシャーは、本当に全くありませんでした。完全に有志が参加する形で、参加の旨を本部に伝えたら、逆に『本当に参加するの?』と驚かれたぐらいです(笑)。交通費が自己負担だったことも当然分かっていました」

としていた。また、別の店舗から参加したスタッフも取材に対し、

「強制はされていませんよ(笑)。個人的に、そういうイベントが好きだったので、自分から参加を決めました。あと当日は、イベント会場のすぐ隣でスタッフ向けのセミナーも開催されていたので、そちらと一緒に参加した人も多かったんじゃないでしょうか」

と話していた。