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中国を拠点として自転車のシェアリングサービスを展開するMobikeは23日、同社サービス「Mobike」を北海道・札幌市でも展開予定であることを明かした。同社の日本進出は22日に福岡市との提携が発表されたばかりだが、それに札幌市が続いたかたちになる。

この発表が行われたのは、札幌市で開催される最先端テクノロジーを核としたビジネスコンベンション「No Maps」の記者会見。開催に際して、「北海道・札幌を社会実験、社会実装の聖地にする」ことを狙っており、Mobikeとの提携もその一環で行われた。

同コンベンションでは、開催に先駆けて、産官学連携の連絡調整会議機能を持つ「No Maps Future Lab」を開設。「Mobike」のサービス展開もこの座組で決定した。最新テクノロジーの実証実験を行いたい企業・研究団体へスピーディな対応を行うことで、申請・承認に時間がかかりがちな新規事業の伸展を促進し、どこよりも早く応えられる地域を目指していく。

IoTサイクルでビッグデータを活用

中国で爆発的にシェアを伸ばしている「Mobike」は、一言で言えばレンタルバイクのサービス。現在は英・マンチェスター、シンガポールなどでもサービスを開始しており、日本国内では22日に福岡市が協業を発表した。

大きな特徴は、返却する駐輪場の指定が無く、目的地での乗り捨てが可能な点だ。利用時は専用アプリで近隣にある自転車を探し、解錠は自転車のQRコードのスキャンで行う。自転車にSIMカードを搭載することでGPSによる検索を可能にしているほか、自転車の移動履歴をビッグデータ解析し、交通網の再設計に生かす試みも北京大学と共同で実施している。

自転車は繰り返しの利用に耐えうる堅牢性を担保するため、自社による大量生産を行っている。パンクレスタイヤや盗難できない(取り外せない)加圧式サドル、繰り返しの跳ね上げに耐えるキックスタンド、チェーンではなく車と同様、シャフトで動く機構を採用することで、4年間にわたるメンテナンスレスを実現するという。

○日本での運用方針を公開

Mobike 国際展開統括 クリス・マーティン氏は、日本での乗り捨て運用は不可能ではないかと懸念が上がっている中で、札幌市がサービス展開に合意したことに対して「感謝している」とコメントした。

乗り捨てに対する懸念について、中国と同様のビジネスモデルを一律に敷くのではなく、各国に合わせて展開していることを挙げ、「日本においてはスムーズに運用可能なオペレーションを構築し、行政と連携することで、大きな都市を開拓していく」と回答した。具体的には、行政の私有地や民間企業パートナーのスペースにおける駐輪許可を発行することで、街中での自在な駐輪を実現する想定だ。加えて、すでにMobikeに各業界のプレイヤーから協業に向けた連絡が集まっているとも明かした。

中国では日本円にして10〜20円ときわめて安価に提供している利用料については「日本でも、利用するのが気にならないレベルの安さを実現したい」と語ったほか、「まだアナウンスできる段階にはないが、例えばコンビニ購入であるとか、通信会社経由など、決済が簡単になるようになるべく多くの選択肢を用意したい」と意向を語った。

なお、札幌市、および福岡市でのサービス開始に関しては、「タイミングを定めず、準備が完璧に完了し次第すぐ始めたい」として時期を明言しなかったものの、年内には確実に開始すると語った。