TWICEやBLACKPINKの日本活動での結果にかかわらず、今後も多くのK-POPアーティストが日本デビューを果たすだろう。東方神起や少女時代の後輩グループであるRed VelvetやNCT、2015年に本国でデビューした13人組のSEVENTEENなど、韓国で高い人気を獲得している日本未デビューの若手グループはまだまだいる。また先日The InternetのSydとのコラボ曲を発表したDEANや、元2PMのメンバーでヒップホップレーベルAOMG率いるJay Parkといったシンガーたち、2年連続で『SUMMER SONIC』に出演するHyukohをはじめとするインディーバンドなど、アイドル畑ではないアーティストたちが日本で紹介される機会も増えてきているようだ。

そもそも「日本デビュー」というのはK-POPと日本の音楽シーンの複雑な関係を表しているシステムに過ぎず、韓国のアーティストが日本語で歌う日本オリジナルアルバムがリリースされたり、本国で発表された楽曲の日本語バージョンが作られたり、いわゆる「洋楽」が日本に入ってくるのとは異なる「J-K-POP」特有の展開が起こる。日本デビューという手続きを踏まずとも、配信や輸入盤で彼らの音楽に触れることはできる。しかし日本デビューによってメディアの露出が増え、J-POPのシーンに食い込むことができるのは、その音楽がより多くの人々に聴かれるようになることを意味するのもまた事実だ。同時期に日本上陸を果たすこととなったTWICEとBLACKPINKという2組の大型新人によって、K-POPが新たなリスナーを獲得することを期待したい。この夏は日本におけるK-POP受容史の転換点になるかもしれない。