現代の悲劇「iPhoneの画面割れ」を修理するベストな方法は?

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全国のiPhoneユーザーにとって非常にショッキングな出来事のひとつに、落下による画面割れというのがあります。そのまま使い続けるとガラスの破片が指に刺さって危険ですし、本体内部に影響が及んだ場合、急に電源が落ちるなど、より深刻な事態に陥る可能性もあります。何より画面が見えにくいし、みっともないですよね。

そのまま使っている人を実によく見かけますが、上記の理由から、ぜひ修理していただきたいと思います。とはいえ修理サービスは複数あり、違いがわかりづらいのも事実。そこで、これまでに何度もiPhoneの画面を割ったことのある筆者の経験を活かし、ユーザーの状況ごとに最適な修理方法をまとめてみました(2017年3月現在の情報となります)。いずれの方法においても修理に出す前のバックアップをお忘れなく(参考記事:iPhoneバックアップ手順)。

その1:Appleの保証サービスを利用する

Appleの保証プログラム「Apple Care+ for iPhone」では、iPhoneの購入日から2年以内の保証期間中であれば、画面割れに対する修理を1回につき3,400円で、最大2回まで受けることができます。保証対象外の場合は14,800円(iPhone 6s PlusおよびiPhone 7 Plusは16,800円)がかかります(※ 以下、価格はすべて税別)。

Apple Store直営店もしくはApple正規サービスプロバイダに持ち込めば、可能な限り当日中に修理が完了します。「Apple Care+ for iPhone」に加入しており、近くに該当店舗があるのなら、割安かつスピーディーに修理できるこの方法がベスト。

もし「Apple Care+ for iPhone」に加入しており、持ち込めるストアが近くにない場合は、Appleリペアセンターへ送るか、エクスプレス交換サービスを利用できます。「Apple Care+ for iPhone」に加入済みか不明なときは、サポートページにiPhoneのシリアル番号を入力することで確認できます。

キャリア独自の保証オプションもあるので、契約時に加入したユーザーはショップやサポートセンターへ問い合わせましょう。ただしiPhoneの場合、保証オプションは修理代のキャッシュバックなどで、実際の修理窓口はキャリアショップではなく正規サービスプロバイダとなる場合がほとんどです。

その2:総務省認定登録修理業者を利用する

総務省は2015年、電波法で定める登録の基準に適合する業者は、総務大臣の登録を受けることを可能とする制度を制定しました。この「登録修理業者制度」による厳しい審査をクリアした修理業者であれば、安心して修理サービスを受けることができます。

とはいえApple以外の修理サービスを利用すると、Appleの保証およびサポートの対象外となるリスクもあります。そのため──「Apple Care+ for iPhone」に未加入もしくは保証期間が切れているが、安心・安全に修理したい

近くにApple直営店もしくはApple正規サービスプロバイダがないが、素早く修理を済ませたい

この条件が2つとも当てはまる場合、総務省認定登録修理業者での修理をおすすめします。

今回は日本で8番目に登録修理業者に認可されたAppBank Storeにご協力いただき、修理店「Sma-cle」のメガネスーパー高田馬場本店で、修理の模様を取材してきました。

私が持ち込んだのは、画面が全面にわたってバキバキに割れたiPhone 6s ローズゴールド。総務省認定制度は端末のモデルごとに申請する必要があり、Sma-cleではiPhone 5s/iPhone 6/iPhone 6sの3機種が修理対象となっています。

まずは顧客情報や申込書を記入。端末を預ける前に、動作確認や傷のチェックをスタッフと一緒に行ないます。

ディスプレー以外に大きな問題はなかったので、スタッフがすぐ後ろの修理台で修理を開始。非正規の修理店の一部は雑居ビルの中にあり、女性ひとりでは入りづらい雰囲気がありますが、Sma-cleは外から修理の模様が見える店舗設計になっていました。

静電気対策の指サックを装着し、iPhoneをパカっとオープン。女性スタッフがひとつひとつ小さな部品を丁寧かつ素早く外していきます。ちなみに修理の待ち時間には、併設のメガネスーパーで「トータルアイ検査」を体験できます。

ディズプレーを外し、交換用のディスプレーを装着して修理完了。今回はインタビューと撮影を並行していたため、所要時間は40分程度かかりましたが、通常の画面修理時間は、受付から引き渡しまで30分程度とのこと。

再度スタッフと一緒に動作確認を行ない、仕上がりに問題がなければ支払いをして端末を受け取ります。

iPhone 6sの画面修理の場合、通常価格は21,800円とApple直営店よりもやや割高。しかしSma-cleは郊外に6店舗を構えており、自宅近くで手軽に修理を頼めるのがメリットです。

マイiPhone、華麗に復活しました! 筆者の場合、すでに新モデル(iPhone 7)を使い始めているとはいえ、やはり直ると嬉しいですね。第二の人生も開けてきます。

女性がひとりでも気軽に来店できるよう、スタッフも積極的に女性を登用しているのだそうです。今後はネイルサロンや映画館など、スマホの利用が制限される場所に修理店が併設され、施設を楽しんでいる間にiPhoneが修理できるなんてサービスが誕生するかもしれません。

その3:非正規の修理業者を利用する

「『Apple Care+ for iPhone』には未加入だけど割安で修理したい」「Apple直営店も、Apple正規サービスプロバイダも、総務省認定登録修理業者も近くにない」といった場合は、いわゆる"町の修理店"を利用することになります。

iPhone 画面修理」で検索すると、多数の非正規修理業者が出てきます。安さをうたう店舗から、駅チカ、修理スピードの早さなど、特徴はさまざま。しかし、これらの修理サービスもAppleの保証およびサポートの対象外となる可能性が高いです。また、店舗によって修理技術に差があったり、一部悪徳業者が存在していたりといった危険性も。個人情報が詰まっているiPhoneだけに、安心して頼めるよう、地元の知人に聞き込みなどをし、実績あり評判のよい店舗を選ぶよう心がけましょう。

──以上、3つの選択肢を挙げましたが、時と場合によって最適な修理方法は変わってくるでしょう。最悪なのは画面が割れたまま放置すること。ある日、急に動作しなくなり、バックアップが取れないまま本体交換なんて恐ろしい事態に発展してしまうかもしれません。新品で出会った時の喜びを思い出し、修理して蘇らせてあげてください。