ジャイアントパンダ(パンダ)は、中国のごく限られた地域にのみ生息する絶滅が危惧されている動物です。白と黒の体毛が特徴的なパンダは「なぜ白黒なのか」、さまざまな説が唱えられてきましたが、アメリカの研究者が画像比較を用いることで理由を突き止めています。

Why is the giant panda black and white? | Behavioral Ecology | Oxford Academic

https://academic.oup.com/beheco/article-abstract/doi/10.1093/beheco/arx008/3058530/Why-is-the-giant-panda-black-and-white

Why Pandas Are Black and White | UC Davis

https://www.ucdavis.edu/news/why-pandas-are-black-and-white/

Why Are Pandas Black And White? | IFLScience

http://www.iflscience.com/plants-and-animals/why-are-pandas-black-and-white/

パンダは白色の体毛の中に、目の周りと耳だけが黒色という特徴的な姿をしており、それゆえに愛らしい動物として世界中で愛されています。しかし、野生での生活において、白黒模様は非常に目立ちやすく生存競争で不利に働くのではないか、なぜこの色なのかという理由について、動物学者はさまざまな説を唱えており、結論は出ていません。



一つの理由として挙げられているのが「カモフラージュのため」というもの。パンダが生息する中国の内陸部は冬には雪が積もる地域であり、雪景色に身を隠しやすくユキヒョウやジャッカルなどの捕食者の目を免れるために白・黒の色をしているという説です。もう一つの有力な説が、寒い冬に目や耳の温度が低下するのを防ぐために、太陽光から熱を吸収しやすい黒色になっているというもの。その他にも、敵を威嚇するために目の周りが黒いという説や、基本的に単独行動で暮らすパンダが繁殖時期にパートナーをみつけやすいようにあえて目立つ色になっているという説などが挙げられています。

そんな中、カリフォルニア大学デービス校とカリフォルニア州立大学ロングビーチ校の研究者が、他の動物の色使いと生息環境などとパンダを比較することで、理由を探っています。

パンダ以外にも白黒模様の動物はおり、例えばシマウマも非常に目立ちやすい奇抜な白黒模様をしています。シマウマについてもカモフラージュや体温調整や寄生虫から身を守るため、などの説が分かれていますが、これらの動物とも比較することで、パンダが白黒模様である理由を推測しようというわけです。

研究では、195種類の他の肉食動物と39種類のクマ科の動物を対象にして体毛の色使いを画像データとして取り込み、統計学的手法でパンダと比べたとのこと。特に、目や耳や手足など、動物の体のパーツごとに分析して類似性をスコア化することで、パンダの白黒模様に類似性のあるパターンを分析しています。



出された結論は、大部分の部位が白い理由は、従来の有力説の通り、雪の多い地位で身を隠すのに適しているからというもの。腕と足が黒い点については、日陰で隠れるのに有利だからと考えられています。なお、白・黒の2色なのは竹や笹という栄養価の低い食物しか食べられないからだとのこと。

しかし、パンダの特徴的な顔の白黒パターンについては、カモフラージュではなく「コミュニケーション」が目的だと結論づけています。まず耳が黒い理由は、捕食者に「凶悪性」をアピールするのに役立ち、また目の周りが黒いのは、それぞれの個体を見分けたり、ライバルのパンダに攻撃性を知らせるのに役立つとのこと。

多くの動物の画像を使って比較するという科学的な手法を用いた研究者たちは、分析結果から「体の一部の体温低下を防ぐため」という従来の有力説が正しい可能性は低いと結論づけています。