日本では世界でも最先端クラスの医療サービスを受けることができる。中国ではがん患者が年々増加しているにもかかわらず、医療サービスの向上が患者の増加に追いついていないのが現状だ。(イメージ写真提供:123RF)

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 日本では世界でも最先端クラスの医療サービスを受けることができる。中国ではがん患者が年々増加しているにもかかわらず、医療サービスの向上が患者の増加に追いついていないのが現状だ。

 健康意識の高まりとともに中国では国外で医療サービスを受ける人が増加しており、高い技術力を持ち、地理的にも近い日本への医療観光が人気となっているという。中国メディアの医療資訊網はこのほど、中国国内では富裕層を中心に日本での医療観光が注目を集めていると伝えた。

 記事は、日本で医療サービスを受けた中国人女性の事例を紹介している。親族にがん患者が多かったことから、自分の身体も不安だったという中国人女性は2012年に日本でがん検診を受けたという。検査の結果については明らかではないが、医療サービスの内容に満足した女性は、14年には夫と2人の友人を連れて再び日本で医療サービスを受けたという。女性は「日本人は真面目だと知っていたが、日本で医療サービスを受けて初めて日本人の仕事の細かさが想像以上だったと分かった」と述懐した。

 同女性にとってもっとも忘れがたい日本の医療サービスの内容は「患者のプライバシー」を非常に重視していたことだという。もちろん医療の質も非常に高かったと称賛する一方で、日本では特に婦人科などにおいては医者と患者、そして患者同士が必要以上に顔を合わせなくて済むような配慮があったと紹介し、女性としては嬉しい配慮だったと紹介した。

 また記事は、病気になってから病院に行くのではなく、病気を未然に防ぐ「予防」という考え方が中国で広まりつつあり、日本はがん治療のみならず、がんの予防という点でも世界最先端の経験を有する国だと指摘し、だからこそ中国人の間で日本への医療観光が人気となっているのだと伝えている。

 先端医療を受けることのできる病院の数が限られている中国では、日本ではごく当たり前の治療すら受けられない人も少なくない。また、中国では病院であってもコネの有無で診察や手術の順番が変わると言われており、それならば多少高額でも日本で質の高い医療サービスを受けたいと考える中国人が増えても何ら不思議ではない。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)