Word起動時に、いきなりエラー表示される!?  致命的な問題と思いきや……、原因と対処方法

写真拡大 (全4枚)

いまだにあるのかという感じのWordの起動時エラーが先日勃発した。
最初に出たのがFacebookでリンク表示されたWord文書を開こうとしたときだったので、ブラウザ連携が悪いのかFacebookリンクが悪いのか判断がつかなかったが、気がつくとWordを単体で立ち上げても同じ状態だ。




「非表示モジュールLINK内でコンパイルエラー発生」というこのエラー。
エラー表示はされるものの「OK」でダイアログボックスが閉じられる。
そして、そのままWordを使い続けることもできるので、大きな問題ではないとも思える。

しかし、ちょっと気持ちが悪い。
終了時も同じエラーメッセージが出るので、正直うざい。

筆者の環境はMacにOffice 365 Soloというもの。
必要なアップグレードもしているはずだし、Wordの動作が重いなと思うことはあったが、その原因は、おそらく開いている文書が重かったことに起因したものだ。
強制終了が続いたということもない(一昔前のソフトウェアでは、フリーズ→強制終了→何かが壊れていくというイメージがあった)。

つまり、エラー表示が頻繁にでるようになった原因について、身に覚えがない。

ということで調べてみた。
どうやら、この起動時のコンパイルエラーは、Microsoft Officeのスタートアップフォルダーに含まれるプログラムの起動準備に失敗しているということのようだ。

最近では、こうしたアプリケーションのエラーに遭遇するのも珍しくなってきたこともあり、解決までの道のりをまとめておこう。

◎「非表示モジュールLINK内でコンパイルエラー」の解決まで
Word、Excel起動時に非表示モジュール内でコンパイルエラーが発生しました、というエラーに関しては、実は以前からある現象だ。

MSのサポートページにも記載があるように、Microsoft Office スタートアップフォルダーにAdobeのAcrobat PDFMakerアドイン、テンプレートファイル(いずれか、あるいは両方)が含まれている場合に、同じマシンにインストールされたAdobe Acrobatとのバージョンが合わないときに発生していた。

解決法としては、
・最新版のPDFMakerアドインをダウンロードする
・スタートアップフォルダーのPDFMaker.*を他の場所に移動する

という方法が示されている。

しかし筆者のマシン内を検索したところ、PDFMaker.*というファイルはない。Microsoft Officeのスタートアップフォルダーを探したところ、「Startup」の「Word」のフォルダにあったのは、このファイル「link creation.dotm」だった。


じゃあ、
「link creation.dotm」って何? 
このファイルを削除(移動?)すればいいのか? 
それで問題はないのか? 
と、いうことで、さらに調べてみると、やはりAdobeらしいのだ(MicrosoftのCommunityページに、まさに同じ質問があった!)




そこで、Adobeのページを検索するとヘルプページにスバリの記載があった。
どうやら、Office 2016を64ビット版にアップグレードし、Acrobat DCをインストールしている場合に出る現象のようなのだ。

件のPDFMakerアドイン(linkCreation.dotmはアドイン固有のファイルとのこと)は、Mac OSではOffice 2016 32ビット版でのみサポートされているモジュールで、Office 2016 64ビット版にアップグレードした場合に、このエラーメッセージが出るという。




問題の現象はMicrosoft Officeのスタートアップフォルダー(筆者の場合、「Microsoft Office/Startup/Word」)から「link creation.dotm」を削除したことで解消した。


◎エラーの要因がアプリケーション単体ではないこともある
実は、複数アプリケーションを共存(連携)することによるエラーは、昔は当たり前のように起こっていた。
エラーを出しているアプリケーションそのものが原因を作っているのではなく、他に原因があるというケースも多々あった。

ただ、最近ではあまり経験することがないケースだ。
理由としては、それだけ技術がこなれてきたり、単体で多機能なアプリケーションが増えてきたり、あるいはアプリケーション自体がクラウド型になってきたりといった、さまざまな要因が考えられる。

ただ、このように、いまでも突然、起こり得ることでもある。
エラーが起こって困ったときの解決方法の探し方として、エラー表示を出しているアプリケーションだけが決して対象ではないということを、ちょっと頭の隅にでも覚えておくとよいだろう。

とはいえ、Microsoft Officeのスタートアップフォルダーがある意味不要なトラブルを起こしている場合も多いのではないか。Office関連アプリの起動時にトラブルがある場合は、ここを確認してみるのが早道かもしれない。


大内孝子