海に一番近い駅で改札の外に出られない駅!?横浜にある秘境駅・鶴見線「海芝浦駅」

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日本には、たくさんの「秘境駅」と呼ばれる場所がたくさんあります。1日に数本しか停車しない駅、利用者数が極端に少ない駅、人里から遠く離れた山奥にある駅などなど……

いろいろな条件によって、多くの鉄道ファンによって「秘境駅」は定義されていますが、世間一般的には「行くのが大変な駅」というイメージだと思います。

しかし、「秘境駅」という言葉には、鉄道ファンだけでなくても冒険心をくすぐる場所で、そんな場所に行けるチャンスがあるなら行ってみたいと思っている人も多いのではないでしょうか?

今回は大都会の横浜にあるため、週末の数時間を利用して気軽に行くことができる、まさに「秘境駅」とも言える、JR鶴見線の「海芝浦駅」をご紹介したいと思います。

・秘境駅の入り口・鶴見駅には改札の中にもう一つ改札がある謎!?
大都会から気軽にいける秘境駅のスタートは、なんとJR東京駅から約30分のところにある横浜市のJR鶴見駅。

そんなだれもがアクセスできるJR鶴見駅から「鶴見線」に乗り換えることで、今回の秘境駅「海芝浦駅」に行くことができます。

ただ、この乗り換えには他の路線とは異なる点が1つだけあります。それが改札の中で再度改札を通ること。

これは、改札内の改札で「中間改札」と呼ばれるもので、在来線同士での中間改札はとても珍しく、秘境へ向かう気分をさらに盛り上げてくれています。

・ホームの後ろはすぐ海!これが秘境駅「海芝浦駅」だ!
鶴見駅から出発するとJR鶴見戦はすぐに工業地帯の中をのんびりと走ります。駅の間隔はとても短く、乗車した鶴見駅から秘境駅のある終点の「海芝浦」までは、たった13分で着きます。

秘境駅の「海芝浦駅」に到着してホームに降りると、目の前には、すぐ海があり、その先には京浜工業地帯と、鶴見つばさ橋や横浜ベイブリッジも一望することができる絶景が広がっています。

海芝浦駅は、海にとても近い駅で絶景が抜群ということで、2000年には、「関東の駅百選」にも認定されたほど。

・駅なのに改札の外には出られない!?
「海芝浦駅」が秘境と言われるのには、まだ理由があります。それはこの駅は一般の人は改札を降りることができないのです。

これは、海芝浦駅が、東芝の敷地の中にあるからです。よって駅の構内から外に出られるのは東芝の関係者だけとなっている、とても珍しい駅となっています。

駅の外には出ることができませんが、駅に隣接されている唯一出られる「海芝浦公園」にはいくことができます。

こちらは、東芝が敷地の一部を整備し、一般に開放してる公園となっています。

普段私たちが目にする鉄道ですが、レールが敷かれるにはそれなりの「理由」があります。

ある日突然、何の意味もなく、レールが敷かれ、列車が走る、そして駅ができる。という事は絶対にありません。

この鶴見線ですが、富山出身の浅野総一郎の発案によって「臨海部」の埋め立てが行われたことによって生まれました。

実は1度は頓挫した計画だったのですが、渋沢栄一、安田善治郎という名だたる日本の実業家とともに大規模な埋め立て事業が遂行されます。

そして浅野が発案した1904年(明治37年)から、24年の歳月を経て、1928年(昭和3年)に現在の鶴見地区の埋め立て事業は完成します。

日本の近代化の礎(いしずえ)の1つともなった場所に物資を効率よく届ける為にできた、普段はあまり着目されることの少ない大都市の路線「鶴見線」。

実は、元旦には、始発電車に合わせて、海芝浦公園も開園するようです。

元旦に、秘境駅「海芝浦駅」を訪れて、京浜工業地帯から登る初日の出を拝んでみてはいかがでしょうか?

きっとその新しい夜明けは、これまでの日本の歴史と、これからの新しい日本の歴史を繋ぐ、バトンのような素晴らしい輝きを放っていることでしょう。

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駅名 鶴見線「海芝浦駅」
住所 横浜市鶴見区末広町2丁目
ホームページ 駅の情報(海芝浦駅):JR東日本