大通りでは目立たない客引き行為だが、裏通りでは依然行われている＝８日、東京・歌舞伎町で（撮影：吉川忠行）

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性風俗店などへの客引き行為や、ピンクチラシの配布などを禁止する、東京都の改正迷惑防止条例施行から10日が過ぎた。日本最大の歓楽街と言われる新宿区歌舞伎町では、条例施行直後の今月１日は客引きが姿を消したが、その後本当に街から消えたのか。先週末、夜の歌舞伎町を歩いてみた。

　新宿駅東口から大通りを渡ると歌舞伎町だ。仕事帰りの会社員らでにぎわっているが、条例施行前のように客引きが声をかけてくることはない。しかし、裏通りに入ると、「今ならウイスキー付き、5000円でいいですよ」とキャバクラの客引きが声をかけてきた。施行後の状況を聞くと「悪いですねぇ。週末なのにサッパリです。ビールも付けますからお願いしますよ」と懇願されてしまった。

　しばらく歩くと風俗店の客引きに声をかけられたが、30分ほど歩いて声をかけられたのは、この２回のみ。店の敷地内で客引きとおぼしき人物が立っていたり、路上にたむろしているだけで、通行人に声をかけている様子もない。また、店によっては「当店は客引きを行っておりません」という看板を出しているところもあった。

　もっとも、客引きが積極的ではなかったのは、警察官の姿が見える大通りだけだった。大通りを一歩入った路地では、条例施行前と同様に客引き行為が行われていた。客引きが２人組の男性と値段交渉を行っていたり、若者のグループに声をかけていた。

　１日の定例会見で、石原慎太郎都知事は同条例について「瞬発的なものでなく恒久的な手だてを講じて、『このような規範を守らなければならない』という意識を徹底していきたい」と語った。しかし、依然客引き行為は行われており、課題は残る。【了】