写真提供:マイナビニュース

写真拡大

4年ぶりに2時間スペシャルとして復活するTBS系ドラマ『水戸黄門』(6月29日 21:00〜22:54)に主演する、水戸光圀役の俳優・里見浩太朗が3日、東京・赤坂のTBSで取材に応じ、「もう今後は無いものと思っていたので、本当にうれしい」と、復活の喜びを爆発させた。

撮影は4月上旬にスタート。里見は、京都の太秦撮影所でキャスト、スタッフと再会したときのことを思い出しながら、「みんな喜々として、毎日楽しそうに、一生懸命撮影に携わってくれたことが、涙が出るくらいの喜びだった」と、目を細めながら振り返る。

1カ月間の撮影は、レギュラー放送終了から4年がたったことを全く感じさせない雰囲気で、里見は「故郷に戻ってきてよかった、という思いで撮影していた」という。その表情は満足感にあふれており、「私としては(作品が)できたということだけで、もう十分でございます」と、すがすがしく語った。

それでも、最近、この復活版『水戸黄門』が高視聴率を記録し、毎年恒例の特番化する夢を見るという里見。今回の放送が「時代劇を復活させる起爆剤になってくれれば」という思いも語った。かつては各局週1〜2本は時代劇を放送していた時代があった中で、『水戸黄門』は、単なるチャンバラではなく、心に訴えるものがあったからこそ続いてきたと分析。「いかに、人間の良識に近いところで動いていたか、という自負心がある」を胸を張った。

このように、今後もシリーズが続くことを望む里見は、自身の後継者として、中村梅雀や、橋爪功といった名前を挙げた。ただ、自身が65歳のときに初めて黄門役を演じた際に、歴代の俳優が持っていた「老人の味、年寄りの匂いが出せなかった」という苦労を踏まえた上で、「二枚目じゃないほうがいいね。老人の味があるキャラクターを持った俳優さんがいい」と、未来の"6代目黄門様"にアドバイスを送る場面も。現在78歳になった里見は、年月もたち、経験を積んだことで、今回の復活版は「自信を持ってお送りできる」と笑顔を見せた。

今回の物語は、徳川綱吉(植草克秀)の次期将軍の座を巡る争いに巻き込まれた水戸黄門が、将軍候補である徳川綱豊(永井大)を連れて、旅立つシーンからスタート。世間知らずだった綱豊だったが、旅をするうちに人々と接することで、次第に広い視野を持つようになっていく。また、黄門と実子・松平頼常(高橋光臣)の父子の葛藤も描き、これまでにない水戸黄門の表情が見られるスペシャルならではのストーリーが展開される。

時代劇経験豊富な里見が立ち回りを行うと、他の役者よりも「ずっとかっこ良く見えちゃう(笑)」ことから、かつて、黄門様の立ち回りシーンが無くなった時期もあったという。しかし、今回の復活版では、黄門様が会心の一撃を与える立ち回りのシーンがあるということで「期待してほしい」とアピールした。

29日の放送を前に、25日19時からBS-TBSで、里見がナビゲートする水戸光圀の人物像に迫る特番も放送。足跡を追った里見は「三男坊で(藩主を継がないと思って)町の人と遊んでいたことが、光圀の人物像を作ったんじゃないかな」と、あらためて自身の役柄に親近感を持ったようだ。