30日未明にカリアリ戦!! 好調・本田圭佑のプレーを現役イタリア人監督が徹底分析
しかしそれは、本田の能力が「足りない」のではなく、このポジションに「向いていない」のが原因だ。
本田は瞬間的なスピードに欠けるが、優れたキープ力と傑出した戦術眼を持ち、狭いスペースでも連係ですり抜ける技術、シュートとアシストのセンスも備えている。そうした長所を最も発揮できるのは、ピッチ中央のゾーン、つまりトップ下だ。
相手のライン間で数多くのボールに触り、コンビネーションからアシストやシュートなどフィニッシュに絡む形でこそ、本田は“違い”を作り出せるのだ。しかし、右ウイングでプレーしている限り、本田が持つ本来の能力を発揮する機会は、極めて限定的なものにならざるを得ない。
現在、本田が右ウイングで見せているパフォーマンスは、おそらく最大値に近いだろう。限られた機会で結果を残しており(シュート6本で4得点は素晴らしい確率だ)、これ以上は期待できないと思う。
それほど適性がない右ウイングでこれだけやれているのだから、トップ下でプレーする姿を見てみたい。そのためには、インザーギ監督が現在の4―3―3から4―2―3―1に変更する必要があるのだが……。
分析:ロベルト・ロッシ
プロフィール/62年3月16日生まれ。選手時代はMFで、元イタリア代表監督のアリーゴ・サッキや日本代表監督のアルベルト・ザッケローニに師事。99年に引退し、ザッケローニのスタッフ(インテル・ミラノなどでコーチ兼スカウトを務めた)を経て、13-14シーズン途中からイタリアのフォルリ(今季3部)を指揮。
取材・翻訳:片野道郎
※『週刊サッカーダイジェスト』11月4日号より