広島が優勝、昇格チームも決まり、残すは本日行われる最終節のみとなった。今年のJリーグは、ここ数年同様、どこが勝っても負けてもおかしくない戦国時代、悪く言えば団子状態だった。満員のビッグアーチで決めた広島の優勝はもちろん素晴らしいものであったけど、リーグ全体を見たときに、どこか停滞感を抱いてしまうね。

 これは、親会社ありきの企業スポーツという体質でやってきたことによる後遺症とも言える。すべては予算社会。親会社の景気が悪くなれば予算が縮小され、一度落ちた予算が戻ることはない。昔と比べて、やって来る外国人選手のレベルを見れば一目瞭然だろう。

 また、若い日本人選手の海外志向の上昇という原因もある。これは非常に難しい問題だね。日本よりもレベルの高い海外を目指すのは必然。それによって海を渡った選手たちのレベルが上がったことも事実だ。だけど、僕は寂しいね。Jリーグも、世界のトップリーグと肩を並べるくらいにならないと、真の意味での発展とは言えないよ。

 Jリーグが誕生して20年経った今、改めて、真剣に考えるべき問題だろう。すべてのクラブが、独立独歩のプロクラブとしてやっていけるかどうか。現状では、親会社がなくなれば、たちまち苦しくなるクラブもあるだろう。しかしそれを恐れて手をこまねいていては、徐々に縮小していく流れから何時まで経っても抜け出せない。

 改革に向けて、みんなが勇気を持って、ドラスティックに舵を切らないと、未来がない。親会社がなくなれば、自分たちで金を作ろうという意識、エネルギーが生まれるんだ。僕はそれをアイスホッケーの現場で学んだよ。

 死にものぐるいでスポンサーを集め、来てくれたお客さんに最高のゲームを見せようと努力する。それを繰り返して、強いクラブが生まれ、地域と密接に結びつく。大きな宿題だけど、みんなでやれば早く終わるんじゃないかな。