倒れた高齢者を助けた男性、絶賛の嵐に「え、なんで？」＝杭州
浙江省杭州市内で1月29日午前8時ごろ、路上で倒れた85歳男性を道路清掃員の男性が発見し、約2キロメートル離れた病院までかついで運んだ。絶賛の声が殺到したが、本人は不思議がっているという。中国新聞社が報じた。
85歳の男性は自宅から薬局に出かけて帰る途中だった。気分が悪くなり、路上のベンチで10分あまり休んでから再び歩きはじめたが、意識を失って倒れた。
道路清掃員の劉さん（55歳）が、倒れている男性を見つけた。倒れた時に頭を打って血を流していた。助け起こしたが歩ける状態ではなかったので、背負って病院に行くことにした。
倒れた男性の病気の種類については伝えられていないが、医師は「運ばれてくるのが遅かったら命が危なかった」と述べた。
男性の妻が病院に駆けつけた時、劉さんの姿はなかった。道路清掃員であることと、男性が倒れていた場所などを考え合わせて、あちらこちらに問い合わせ、探し当てることができたという。男性の妻は1月30日、改めて劉さんを訪ねて礼を言い「感謝のしるし」としていくつかの品物を渡した。
劉さんは河南省の農村部出身で、2008年から杭州市内で道路清掃の仕事をしている。倒れていた高齢者を救ったことが報じられ、インターネットなどで多くの人が「すばらしい善人だ」、「尊敬する」などと劉さんを絶賛しはじめた。
劉さんに対しては、その後も取材が相次いだ。劉さんは「そんなにすばらしいことですかね。当たり前でしょう。私のふるさとだったら、だれでも同じようにしますよ」などと、自分が“持ち上げられる”ことを不思議がっている。
一部報道は、劉さんは倒れた男性を背負って「病院までの2キロメートルをひたすらに駆け抜けた」と伝えた。劉さんは「走ったのは最初の方だけ」と、否定した。背負った男性がけがをしていたこともあり「残りは早足で歩きました」という。（編集担当：如月隼人）
