――色々なキャラクターを演じることが多いと思うのですが、どのように演じ分けたり、役に入っていくのですか?

麻生:結構、役のことを考えている時間がクランクインする前にあるので、そこからだんだんと…。もちろん現場でもそうなんですけど、その期間中に作り上げていく感じですね。あまり「この役だから、こうしよう:みたいなのが、そこまですごくハッキリとあるわけではなくて。段々と自然に。いつも決めつけたりはしないです。

――良い人悪い人ではなく、カラーがグレーな感じを選んでいる印象を受けているのですが、意識はありますか? もしそうであれば、女優として「変えていかなきゃ!」と思う切っ掛けがあったのですか?

麻生:昔はやっぱり、良い人なら良い人という役を頂くことの方が多くて。年齢的にも、多分タイミング的にもそうでない役を頂けるようになったというのがまずあって。ちょうど今というか、ちょっと前になりますけど、そういう役に挑戦したかったんですよね。そこで、さっきおっしゃられたみたいな“グレーな感じ”というのを表現できたら面白いだろうなと思っていた部分は確かにありました。「純喫茶磯辺」と「たみおのしあわせ」は、タイミング的にちょうど連続して公開したんですけど、そういう一筋縄ではいかないようなキャラクターにものすごく惹かれたんですよ。なので、役で表現する時に、今までとは違う感じの二つの役ができたら、ちょっとしたステップアップにつながればいいなとか、印象が変わったら嬉しいなと考えて。でも、そういう役ばかりをやっていても、それはそれでダメなんだろうなとも思っているので(笑)。

――麻生さんが出演作を選ばれる基準は、監督、役柄、脚本、共演者など色々とあると思いますが、何を重視されていますか?

麻生:今おっしゃられた全部です。でも全部が揃ってなきゃという意味ではなくて、どれか一つでも。何か予感がするんですよね。何となく、きっと自分が出演するだろうというものに対しては「あ!これだ」ってどこかで思うんですよね。それは多分、今言った監督、共演者、脚本、役とかになるんですけど、一言でいうと“勘”になってしまうんです。

――麻生さんは、今後どのような作品で、どのような役を演じたいですか?

麻生:とりあえず、グレーじゃない役をやりたいなと(笑)。本当にそれは思っていて。あまりにそういう役ばかりやっていると「またか!」と言われてしまうので。でも自分の中では、一人一人全然違うとは思ってはいるんですけど、引きで見るとそうじゃない。白か黒でやりたいなというのもあって。「どんな映画?」と言われると、ちょっとわからないですが、何かいい出会いがあればいいなと思います。

――麻生さんは、自分が母親になった時に、どんな母親になりたいと思いますか?

麻生:理想は、私の母親なんですけど。ちょっとね、おかしいというか、変わってるんですよ(笑)。ものすごく明るいんですけど、自分が育ててもらって一番印象に残っているのは、よく歌を作るんですね。作っている意識も無いと思うんですけど、その場その場の歌を歌っていくんですよ。それがすごく記憶に残っていて、良かったんです(笑)。それで、自分も気付いたらそういう歌を作って歌ってるんですよ!だから「やっぱり親子なんだな」と思って。そういう明るさにすごく助けてもらった所があって、私は母親ほど明るくはないのは分かっているんですけど、その感じが子供からしたら良かったから、とにかく明るい母親ではいたいなと思いますね。大ざっぱでいいので、明るくいられればいいなと。

「コドモのコドモ」ストーリー

春菜はイマドキの小学5年生の女の子。ある日、いじめられっこで幼なじみのヒロユ
キと興味本位でしたのは“くっつけっこ”という遊び。そして、性教育の授業を受け
「私、妊娠したかも!?」と思い始めます。大人たちに知られないままに、どんどん
大きくなっていくお腹を抱え、春菜と友人たちは団結し、コドモたちだけで乗り越え
ることを決意するが……。

同級生の妊娠、出産という出来事に、学級崩壊寸前のクラスのコドモたちが、団結し、
命の尊さを学び、ぶつかりながらも助け合い、小さな命をコドモたちの手で守り抜く
感動の成長物語。

監督: 萩生田宏治 「神童」
出演:甘利はるな、麻生久美子、宮崎美子、谷村美月、草村礼子、塩見三省 他
公式サイト: http://kodomonokodomo.jp/
9月27日(土)渋谷シネ・アミューズ 新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー