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 今年5月、栃木県上三川町で60代女性が殺害された強盗殺人事件では、犯行直前に被害者宅付近を車で何度も走行、待機していた41歳男が逮捕された。さらに主導役とされる48歳の男は公開手配・国際手配中だ。

「ホワイト案件」信じ込み闇バイトに…一見適法に見える勧誘文言を真に受けるのは相当危険

 この事件では、実行役の16歳の少年4人、指示役の20代夫婦に注目が集まったが、近年、闇バイトやトクリュウと呼ばれる犯罪に中高年が加わるケースが増えているという。

 警察庁によると、昨年11月末までに全国で保護された544人の「闇バイト」応募者のうち、20代が246人でトップだが、10代は135人、30代は74人で、40代以上は89人に上る。40代以上には60代、70代などの高齢層も含まれる。

 今月8日、愛知県警は昨年5月にカンボジア国内からSNSを通じて、千葉県在住の男性をだまして現金を振り込ませた特殊詐欺グループの摘発を発表。犯人の中には10代や20代の若者に交じり、53歳の男がいたことも判明している。

 6月には、特殊詐欺の「受け子」として福井県内の60代女性から現金485万円をだまし取った静岡県の69歳男が逮捕されている。

 東京都のHPでは「シニア層も闇バイト募集の対象に」と題し、特殊詐欺の「受け子」として1600万円をだまし取った84歳の男が逮捕された事例で注意喚起している。

■若者の犯罪ではなくなった

 背景には、就職氷河期世代やリストラ後の再就職先を探す中高年のほか、年金暮らしで生活苦の高齢者を狙い、アルバイト募集に応募するシニア層が増えているからだという。ITジャーナリストの井上トシユキ氏はこう言う。

「就職やバイト募集サイトに登録している割合が増え、彼らが日常的に募集メールを受け取る習慣を利用しています。就職サイトと見間違える発信元からスパムメールを流しています。これまでの外国人に作らせた片言の文言ではなく、日本人が作成したとみられるクオリティーが高いメッセージです。取材すると、LINE登録やGメールアドレスでのやりとりを誘導されるようです。若い世代のようにXやインスタグラムが入り口ではありません」

 井上氏が聞いた事例では、「リモート可。データの分類作業。1日1時間1万5000円から3万円。準備金に8万円支払います」といった案件があったという。

「メールのやりとりをし、喫茶店などで説明を受けた後に免許証などを提出、コピーを取られて逃げられなくなる。いかにも怪しい条件でも、精神的に追い詰められると『とりあえず話を聞いてみるか』とメールをしてしまうと聞きます」(井上氏)

 送信する前に冷静になる必要があるだろう。