豪州の12人継投に戸惑い「きついですね」 ひたすら続く初見、清宮幸太郎の頭に「感覚派」の対策
ラグザス presents 第3回 WBSC プレミア12
野球の国際大会「ラグザス presents 第3回 WBSC プレミア12」に出場する日本代表「侍ジャパン」は13日、名古屋市のバンテリンドームでオープニングラウンド・グループBの初戦に臨み、9-3でオーストラリアを下して白星発進した。豪州は実に投手12人を注ぎ込むマシンガン継投。国際大会ならではの展開に、初のフル代表入りとなる清宮幸太郎内野手(日本ハム)は驚き、戸惑いも口にした。
清宮はこの試合「7番・DH」で先発し、4打数1安打。2回の第1打席で、豪州2番手のサイドスロー右腕、ホランドから右前打を放った。内角に食い込んできたスライダーに対し、うまく腕をたたんでの一打。大会初打席での安打で、波に乗るかと思われた。
ところが、3回の第2打席は二ゴロ、5回の第3打席は遊ゴロ、7回の第4打席では左腕のマクグラスから空振り三振に倒れる。一つ、この試合ならではの洗礼があった。4打席全て、対戦した投手が違ったのだ。
打者は複数の打席を経る中で投手の球筋を見極め、攻略法を見出していく。ただでさえ国際大会では初見の投手ばかり。それに加えてボールを続けて見るチャンスさえ与えられなかったのだ。「その打席しか感じるものがないのははきついですね。慣れないと」と、さすがに戸惑いを口にする。
実はこの継投は、過去の大会でも豪州代表の常套手段。事前に東京・府中市で行った強化合宿の際も、かずさマジックやセガサミー相手に披露していた。7日のセガサミー戦を視察した侍ジャパンの井端弘和監督の頭にも当然あり、ミーティングでも選手に伝えられていた。それでも、実際に経験すると大違いだ。
「初めての投手と当たると、見たことない球筋ばかりになる。追い込まれてからうまく対応しないと」という清宮の頭にも、対策はある。「データを鵜呑みにしないことですかね。配球とかも変わってくるんで」。データ全盛となった今でも、自身の感覚に正解があることも。とにかくバットを振って、つかんでいくという手だ。清宮も「僕はそっち派ですけどね」と言う。
快勝発進した日本は14日、台湾へ移動する。その後に待つのは韓国やキューバとの4連戦だ。この日、始球式のためバンテリンドームを訪れた前回大会の優勝監督、稲葉篤紀氏(現日本ハム2軍監督)は「(清宮)幸太郎にはいい風が吹いているんじゃないかな、こういうチャンスを生かさないと」とエールを送った。現役時代は国際大会で抜群の勝負強さを誇った先輩に続けるか。
(THE ANSWER編集部・羽鳥 慶太 / Keita Hatori)