破産手続きの開始決定を受けた船井電機の本社(大阪府大東市で)

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 帝国データバンクは24日、「FUNAI」ブランドのテレビなどを製造する船井電機大阪府大東市)が同日、東京地裁から破産手続きの開始決定を受けたと発表した。

 負債総額は調査中だが、2024年3月末時点で約461億円。テレビ事業の不振に加え、グループだった脱毛サロンチェーンによる広告代金の未払い問題で信用不安が広がり、立て直しの見通しが立たなくなったという。

 1951年に創業した船井電機は、テレビやビデオの映像機器などを手がけ、OEM(相手先ブランドによる生産)でテレビを低価格で販売する手法で事業を拡大。2005年3月期には売上高が3535億円に上ったが、次第に価格競争で優位に立つ中国勢にシェア(市場占有率)を奪われ、赤字が常態化していた。

 21年に出版会社・秀和システムに買収され、傘下に入った。再建に向けて、23年に「船井電機・ホールディングス」を設立して持ち株会社制に移行し、脱毛サロン運営のミュゼプラチナムを買収したが、約1年で売却した。今年9月、社長の上田智一氏が退任し、経営体制を一新したばかりだった。