2年ぶり5回目の秋の県大会優勝を果たし喜ぶ常葉大菊川の選手たち(カメラ塩沢 武士)

写真拡大

◆高校野球◇秋季静岡県大会 ▽決勝 常葉大菊川9−5掛川西(29日・草薙)

 決勝は常葉大菊川が今夏甲子園出場校の掛川西を9―5で破り、秋は2年ぶり5度目の優勝。東海大会は来月8日に抽選が行われ19日に開幕(静岡)する。出場校3校がすべて西部地区校は2002年以来(常葉菊川、浜松商、浜名)となる。

****

  初回から常葉大菊川打線が爆発した。口火を切ったのは1番・橘木千空(ちから)主将(2年)だ。1回に2点を先制された直後の攻撃。切り込み隊長が右前打を放ち、6得点のビッグイニングを演出した。「自分が流れを引き寄せたかった」。2007年センバツV、08年夏の選手権準Vを達成した黄金時代の強力打線をほうふつとさせた。

 2点差に追い上げられた4回無死一、二塁では右翼へ適時二塁打で突き放した。「取られた後に打てて良かった」。県大会5戦連続マルチ安打で、21打数13安打。打率6割1分9厘と、主将がバットで2年ぶり県頂点に導いた。

 「打って勝とう」を合言葉に打撃強化に取り組んできた。石岡諒哉監督(35)は「これまで形を追求したばかりに、崩されたら全然ダメだった。自分の考えを改めた」。その反省からティー打撃では、ランダムにコースを投げ分けても強く捕らえる練習を増やした。

 県王者として臨む東海大会。センバツ枠は「3」で、決勝進出すれば「有力」だが、橘木主将が「目標は(優勝し)神宮大会出場」と、力強く誓った。2年前、決勝で敗れた先輩を超えて東海王者の称号を手に入れる。

(塩沢 武士)

 〇…掛川西は準優勝に終わり、2季連続の県頂点を逃した。甲子園も経験した石川大峨内野手(2年)が初回2死二塁、左越えに公式戦初本塁打となる先制2ラン。だが直後の守備で先発・加藤瑞己投手(2年)が6失点(自責4)。石川は「今大会まであまり練習試合もできず、おぼつかないまま始まったが、試合を重ねるごとにチームは良くなっている」。打線はこの日、12安打。東海大会で、雪辱と優勝を狙う。