試合後の会見で質問に答える大谷(撮影・小林信行)

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 「マーリンズ4−20ドジャース」(19日、マイアミ)

 ドジャース・大谷の50号が懸かった七回の打席。敵地スタンドから拍手と歓声が沸き起こる中、背番号「17」がバッターボックスに向かうと、球審がマウンド上での投手に数字が刻印された特別球との交換を要求した。

 約150年の歴史を持つMLBで初となる「50−50」の偉業。六回の打席で49号を放ち、王手をかけていた大谷はその時の心境を「打席前にボールを変えてもらったりとか、そういう時間を取ってもらったりしてたので早く決めたいなとはもちろん思ってました」と明かした。

 大谷の打席で特別球が使用されるのは今季2度目だ。4月上旬にメジャー通算176本塁打の日本選手最多記録が懸かった打席で刻印ボールが使われた。しかし、当時は記録達成までに38打席を要した。その間に行われたパドレス戦では相手投手が手に馴染んでいた使用球の交換に不快感をあらわにする場面もあるなど、物議を醸した。

 「早く決めたい」は投手の気持ちも分かる大谷ならではの発言だったが、結果はカウント1−2からの4球目を逆方向へ左越え本塁打。敵地はカーテンコールが巻き起こり、MVPコールの合唱が響き渡るほどの熱狂ぶりだった。

 気になるのは記念球の行方だが、試合後の大谷は「打った瞬間は(スタンドまで)行くとは思いましたけど、先にベンチの方を見たので。どこに行ったかはちょっと分からなかったという感じですかね」。試合後も記念球は手元に戻っておらず、捕球者とも接触していないことを明かした。