入院時の「病院食」は、1食あたりいくら? 「病院食」の特徴もあわせて解説

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入院したときに提供される病院食に、どのくらいの費用がかかっているか気になる方もいるかもしれません。また、入院時食事療養費はどのようなケースで適用されるのか知りたい方もいるのではないでしょうか。 本記事では、入院時の病院食の自己負担額を紹介するとともに、どのようなケースで入院時食事療養費が適用されるかを紹介します。病院食の種類についても紹介するため、食事内容が気になる方も参考にしてください。

入院時の病院食は自己負担額が決まっている

病院で入院中に提供される食事を病院食といいます。国民健康保険に加入している方の入院時の食事代は、1食あたり490円と定められていますが、この金額は自己負担額であり、残りは入院時食事療養費として保険適用になります。
なお、入院時の食事代には減額制度が設けられており、世帯主及び世帯の国保加入者全員が市民税非課税の場合は、入院時における食事代の減額が可能です。
 

病院食の負担額についてよくある質問

病院食の負担額について疑問に思うこととして、病院食ではなく出前を取った場合に、入院時食事療養費の給付対象になるかという内容が挙げられます。入院中に療養の一部として提供される病院食以外の食事は、給付の対象にはなりません。
また、点滴を受けていた場合、標準負担額が変化するか気になる方もいるでしょう。入院時食事療養費は、病院食の提供があった際に支給される費用です。つまり、点滴を受けて食事を一切取っていない場合は、病院で食事療養費は支給されず標準負担額も発生しません。
 

病院食は主に2種類に分けられる

病院食と一口にいっても患者さんの疾患や健康状態に合わせて食事の内容は変わります。医師の指示に基づいて一人ひとりの患者さんに合わせた病院食を提供しなければなりません。その種類は主に一般食と特別治療食の2つです。
 

一般食

病院食は食事療法として治療の一環を担っています。一般食とは、栄養成分の制限や強化を特別必要としていない患者さんに提供される食事です。主に常食、軟食、流動食の3つに分けられます。
常食とは、特別な食事療法を必要としない患者さんに提供する食事です。しかし、入院中は患者さんの活動量が少なくなり、エネルギー消費量も減少するため、日常生活を送る一般の人たちと同じ食事内容では、エネルギーを過剰摂取してしまう可能性があります。
エネルギーを取りすぎてしまうと体重増加につながってしまうため、患者さんの健康状態や年齢なども考慮し、ベッドに横になった状態であることを加味した上で摂取エネルギー量の調整が必要です。
軟食とは、患者さんの症状に合わせて軟らかく調理された病院食のことです。消化器官の負担を減らすために、消化や吸収のよい食事が提供されます。消化吸収力に合わせて全がゆ・七分がゆ・五分がゆ・三分がゆなど、硬さが調節されています。
流動食とは、固形物のない重湯やスープなどの病院食です。軟食と同様に、消化吸収力が弱っている患者さんに提供されます。また、脳卒中や脳性麻痺などにより飲み込む力が低下している人や、高齢者など消化吸収力や物を噛む力が不足している人に提供される食事です。
 

特別治療食

特別治療食とは、食事療法を必要とする疾患をもつ患者さんに対して提供される食事です。疾患の種類によっては、エネルギーやタンパク質、脂質など特定の栄養成分をコントロールしなければならないケースもあります。
病院にはさまざまな疾患をもつ患者さんが入院しているため、各患者さんの疾患や健康状態に合わせた食事が必要です。
例えば、糖尿病の患者さんであればエネルギーを制限した糖尿病食を、腎臓病の患者さんにはタンパク質やカリウム、食塩などを制限した腎臓病食が提供されます。ほかにも肝臓移植や膵臓食、胃潰瘍食など、さまざまな疾患に合わせた特別治療食が用意されています。
 

病院食の1食あたりの負担額は490円

病院食の1食あたりの自己負担額は、原則490円です。病院食の費用を負担してくれる入院時食事療養費は、病院で提供された食事にのみ適用されるものであり、個人的に取った出前の費用には適用されません。
病院食は、患者さん一人ひとりの疾患や健康状態に合わせて作られています。疾患の回復を早めるための食事療法の一つでもあり、自己負担額490円でバランスのとれた食事を摂取できると考えると、あまり大きな負担であるとはいえないでしょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー