[9.17 欧州CLリーグフェーズ第1節 バイエルン 9-2 D・ザグレブ]

 UEFAチャンピオンズリーグ(欧州CL)は17日、リーグフェーズが開幕し、DF伊藤洋輝所属のバイエルン(ドイツ)とDF荻原拓也所属のディナモ・ザグレブ(クロアチア)が対戦した。序盤からゴールを重ねたバイエルンが大会記録の9得点を挙げて9-2で勝利。伊藤は負傷離脱中のためメンバーを外れた一方、先発で欧州CLデビューを果たした荻原は後半に初ゴールも記録し、歴史的大敗の中でも大きな爪痕を残した。

 試合は立ち上がりから一方的にバイエルンの優勢。左ウイングバックで先発した荻原はFWマイケル・オリーズとのマッチアップで冷静に対処していたが、チームは前半から失点を重ねていった。

 バイエルンは前半16分、ペナルティエリア内で仕掛けたMFアレクサンダル・パブロビッチがDFロナエル・ピエール・ガブリエルに倒された後、一時プレーが流されたが、DFダヨ・ウパメカノの即時奪回からすぐさまカウンター攻撃を展開。MFジャマル・ムシアラがエリア内でつなぐと、左でフリーになっていたFWセルジュ・ニャブリが右足で冷静にネットを揺らした。

 だが、ここでVARが介入。ニャブリがオフサイドポジションにいたことが映像で確認された。それでもこの際に主審はパブロビッチが倒されたシーンも再確認し、ファウルを認めてバイエルンにPKを与える最終判定を提示。FWハリー・ケインがこれを決め、今度こそ先制点が入った。

 その後もバイエルンが圧倒を続けた。前半33分、ニャブリがゴール前に鋭い浮き球パスを入れ、これをムシアラが胸で落とすと、DFラファエル・ゲレイロが左足ボレーで突き刺して2点目。さらに同38分、左ショートコーナーからムシアラがクロスを入れると、オリーズが高い打点のヘディングで突き刺し、3-0とした。

 ところが後半はD・ザグレブも意地を見せた。まずは3分、右サイドを突破したガブリエルが鋭いクロスを送ると、ニアサイドに立っていたMFマルコ・ピアツァがかすかに触ってフリックし、ゴール前に流れたボールにFWブルーノ・ペトコビッチが反応。滑り込みながらシュートを放ち、投入されたばかりのGKスベン・ウルライヒの牙城を破った。

 さらに後半5分、D・ザグレブは荻原がど派手に魅せた。左サイドの低い位置でビルドアップに関わり、ワンツーで一気に加速すると、長距離スプリントでゴール前まで駆け上がり、MFヨシップ・ミシッチのスルーパスに反応。最後はウルライヒが詰めてきたが、股抜きシュートで制し、ゴール右隅に流し込んだ。

 荻原はこれが欧州CLデビュー戦で初ゴール。敵地アリアンツ・アレナでのバイエルン戦という大舞台で鮮烈なインパクトを残した。

 ところがその後はバイエルンが再び畳み掛けた。後半11分、MFヨシュア・キミッヒのミドルシュートのこぼれ球をケインが決め、4-2とすると、同16分にはエリア内でケイン、ムシアラが絡んだところにオリーズが飛び込んで5-2。同28分には相手のハンドで獲得したPKをまたもケインが決め、ハットトリックを記録した。

 厳しくなったD・ザグレブは後半28分、荻原らサイドの選手を交代。それでもバイエルンの勢いは止まらず、同32分にDFアルフォンソ・デイビスがエリア内で倒され、この日3度目のPKを獲得すると、またしてもキッカーはケイン。冷静に左に蹴り込んで4点目を決め、スコアを7-2とした。

 さらにバイエルンは後半40分、背後に抜け出したFWトーマス・ミュラーからのパスを受けたFWレロイ・ザネが決め、途中出場コンビで大量8点目。最後は途中出場のMFレオン・ゴレツカが欧州CL記録となる9点目を決めてゴールラッシュを締めくくり、バイエルンが堂々の白星発進を果たした。