8月8日に初めて発報された「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」。これにより災害に対する危機感が高まり、東海や四国地方のホームセンターでは一時的に防災グッズが売り切れたところがあったそうです。

「一部の缶詰も急激に売り上げが伸びました。なかでも防災備蓄に向いている缶詰が人気です」と、缶詰博士の黒川氏は言います。

「今回紹介するのは、普通に食べてもおいしく、非常食としてもオススメできる缶詰。スパイス料理研究家の印度カリー子さんが携わった缶詰です!」

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木の屋石巻水産/【印度カリー子監修】丸ごといわしカレーの缶詰 170g 710円

製造は木の屋石巻水産

本日の缶詰は、スパイス料理研究家の「印度カリー子」さんが缶修(監修)し、木の屋石巻水産が製造した「丸ごといわしカレーの缶詰」であります。

開発に2年の月日を費やしており、「スパイスの香りが豊かなカレーに仕上がった」(木の屋S氏)という。

それだけを聞いても期待が持てるけど、実はこの缶詰は2つの理由で防災備蓄食としてもオススメなのだ。その理由は後述するとして、まずはどんな中身なのか見てみよう。

丸ごといわしカレーの内観(常温で開缶)

透明な脂身が見える

まずは開缶! と同時に「美しい……」と独りごちてしまった。ターメリック色の缶汁の上層が、イワシから出た脂でキラキラと輝いているのだ。

イワシ自体も美しくて、背はあくまでも青黒く、腹はあくまでも銀色。皮がはがれた部分からは、透明な脂身が見えている。

イワシの様子

缶汁はサラサラ

イワシはひと口サイズでカットされていて、加熱されたイワシ特有の香ばしい匂いがしている。と同時に、ココナッツとスパイスの匂いもぐいぐいと立ち昇ってきて、トータルでは本格的なフィッシュカレーの匂いであります。

缶汁(カレー業界的に言えばマサラ)はサラサラタイプだ。

インディカ米と合わせた

7大アレルゲン不使用

かくのごとし。ターメリックなどで味付けしたインディカ米に、丸ごといわしカレーをぶっかけた。全量をぶっかけてしまったけど、1/2缶分でも十分だったと思う。

イワシは背の部分にも脂が乗っていて、そのトロトロ感とスパイスとの相性がいい。ココナッツのエキゾチックな匂いと、ほどよい塩味、飲み込んだあとのピリ辛さ。バランスのいい味付けであります。

ところで、今回の試食では缶詰を温めなかった。というのも、この缶詰について印度カリー子さんは

「非常食としても使えるよう、温めなくてもおいしいカレーになっています」

とコメントしているからだ。確かに、缶汁(マサラ)の油分が分離することもなく、とてもおいしかった。ガスなどの熱源が使えない非常時には助かる。

また、この缶詰は小麦粉を含む7大アレルゲン物質(卵、乳、小麦、えび、かに、落花生、そば)が使われていない。アレルギーのある人でも食べられるから、非常食として大切なことであります。

缶詰情報

木の屋石巻水産/【印度カリー子監修】丸ごといわしカレーの缶詰 170g 710円

同社直販サイトなどで購入可

缶詰博士 かんづめはかせ 昭和41年福島県生まれ。公益社団法人・日本缶詰協会認定の「缶詰博士」。世界50カ国以上・数千缶を食している世界一の缶詰通。ひとりでも多くの人に缶詰の魅力を伝えたいと精力的に取材・執筆を行っている。テレビやラジオなどメディア出演多数。著書に「旬缶クッキング」(ビーナイス/春風亭昇太氏共著)、「缶詰博士が選ぶ!『レジェンド缶詰』究極の逸品36」(講談社+α新書)、「安い!早い!だけどとてつもなく旨い!缶たん料理100」(講談社)など多数。初のエッセイ本「缶詰だよ人生は」(本の泉社刊)も絶賛発売中!公式ブログ「缶詰blog」とFacebookファンページも公開中。 この著者の記事一覧はこちら