「牛角」親会社が経営再建へ
![10日、都内でMBOを発表し、再建策について語るレックスの西山社長(撮影:吉川忠行)](https://image.news.livedoor.com/newsimage/8/5/8b137525e839a41a88-m.jpg)
ダイエーなどの再建を手掛けた独立系投資会社のアドバンテッジパートナーズ(東京都千代田、笹沼泰助代表)がつくる特別目的会社(SPC)がレックス株の公開買い付け(TOB)を実施する。期間は11月11日から12月12日までの32日間で、1株あたり23万円で買い付ける。TOB成立後、SPCはレックスの西山知義社長から33.4%の出資を受けた上で、西山社長の親族企業でレックス筆頭株主(出資比率16.68%)のエタニティインターナショナルを買収する。その後、レックスを吸収合併して新体制を発足、西山社長は今後5年間は会長職としてとどまる。
同社は1996年に外食産業に参入し、主力の焼肉チェーン「牛角」が成功、コンビニ「am/pm」や高級スーパー「成城石井」を相次いで買収し、フランチャイズ方式や多業態戦略でグループを急拡大させた。しかし、97年以降の外食市場の縮小にBSE問題が追い討ちをかけ、「牛角」の業績が悪化。04年12月期には122億円の最終赤字に転落、05年度は3度の業績の下方修正、今期も大幅な下方修正を行った。
同日、東京都港区の東京全日空ホテルで開いた記者会見で、西山社長は業績悪化の要因を「業容の急拡大で、理想とする企業風土、組織体制からの乖離が急速に進んだ」と語り、自らについても「本質的な課題に気付くことが遅かったと認めているし、反省している。まだまだ勉強不足な点が多く、戦略面や財務面で弱い面もあった」と振り返った。懸案となっている経営課題としては◆社員の負担感の増大から来る組織風土の悪化◆経営管理体制構築の遅れ◆既存業態の継続的にブラッシュアップする仕組みとブランディング化の遅れ──などを挙げた。
その上で、今夏ごろアドバンテッジに支援を要請したことを明かし、MBOに踏み切った理由について「抜本的な改革を断行することで、売上・利益を含めた大幅な下方修正や成長性の一時的な鈍化が予想され、既存の株主様の要望に沿えないリスクがある」と説明。
再建策については「ブランド価値の向上を目指して、ビジネスモデルを大幅に変えたい」とし、外食事業を中心に、不振業態の撤退も視野に入れながら、業績が良い加盟店をオーナー・従業員に売却・独立するようなインセンティブを設けテコ入れを図るなどの方向性を示した。
また、非公開となる同社株の再上場については「現段階では決まっていないが、今後検討していきたい」(福井克明取締役)とした。【了】
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