8日、都内ホテルで自社買収を発表するすかいらーくの横川会長(撮影:吉川忠行)

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外食大手すかいらーく<8180>の横川竟(きわむ)会長は8日夕、東京都千代田区のKKRホテル東京で記者会見を開き、創業者一族や経営陣が自社買収(MBO)を実施すると正式に発表した。

 野村プリンシパル・ファイナンス(東京都千代田区、丸山明社長)と英CVCキャピタルパートナーズから出資を受けて横川会長がつくる特別目的会社「SNCインベストメント」がすかいらーく株のTOB(公開買い付け)を実施する。期間は6月9日から7月10日までで、1株あたり2500円で買い付ける。終了後、8月中旬にSNCがすかいらーくを完全子会社した上で、来年1月に吸収合併し、新生「すかいらーく」を発足させる。

 TOBには、横川会長含む創業家4兄弟が保有株11%を応じる予定で、同会長は他の株主にも理解を求めていく考え。買い付け総額は最大で約2718億円を見込んでおり、昨年のワールドが行ったMBO(約2000億円)を上回り、成立すれば国内最大となる。また、同社株は、9月中旬にも上場廃止となる。

 横川会長は、一度引退した後に会長職に復帰した直後の4月にMBO実施の決断をしたことを明らかにし、理由について「(業績の低迷に対し)思い切った改革が必要で、一時的には赤字も覚悟するぐらいの大きなことをせざるを得ない。そのリスクを、5万人を超える株主に理解をしてもらうことは難しい」と説明。約5年間をめどに、主力のファミリーレストランから居酒屋や焼き肉店など新業態へ比重を移すことや、既存店の改装に重点的に投資を行うなど事業改革の方向性を示した。

 また、5月にTOBで子会社化した小僧寿し本部<9973>のジャスダック上場は維持する方針。非公開となる同社株の再上場については「選択肢のひとつ」(横川会長)とした。

 同日の東京株式市場で、一部報道でMBO実施が伝えられた同社株は急騰し、終値は前日より290円(8.24%)高い2365円。出来高は前日の10倍近い511万7200株だった。【了】