X(旧Twitter)は「広告主が同時期にXへの広告出稿を停止した件は、独占禁止法に反する違法行為だ」と主張しており、世界広告主連盟(World Federation of Advertisers)や加盟企業を相手に訴訟を起こしています。この訴訟を受けて、世界広告主連盟のイニシアチブ「責任あるメディアのための世界同盟(Global Alliance for Responsible Media:GARM)」が活動を停止したことが明らかになりました。

Advertising Initiative Shuts Down Following X Lawsuit Over Spending Pullback - WSJ

https://www.wsj.com/articles/advertising-initiative-shuts-down-following-x-lawsuit-over-spending-pullback-cd433217

Ad industry initiative abruptly shuts down after lawsuit filed by Elon Musk’s X | Ars Technica

https://arstechnica.com/tech-policy/2024/08/ad-industry-initiative-abruptly-shuts-down-after-lawsuit-filed-by-elon-musks-x/

GARMは2019年に銃乱射犯が犯行をFacebookでライブ配信した事件が発生したことを切っ掛けに創設されたイニシアチブで、複数の広告企業やウェブサイト運営企業が参加しています。GARMの公式ページには、「広告がブランドの信頼を損なう違法コンテンツや有害コンテンツの近くに配置されないようにすることを目的として活動する」と記されているほか、「GARMはいかなるボイコットにも参加しない」「GARMはどのウェブサイトに広告を出稿するかについて、加盟企業に強制することはない」といったことが強調されています。

しかし、Xは「GARMが加盟企業にXの広告枠購入停止や購入量削減を指示した」と主張しており。2024年8月6日に世界広告主連盟と加盟企業に対する訴状を裁判所に提出しました。

イーロン・マスクが広告業界に「これは戦争だ」と宣言、X(旧Twitter)の世界広告主連盟への訴訟で - GIGAZINE



by UK Government

報道によると、GARMはXからの訴訟を受けて活動を停止したとのこと。世界広告主連盟の責任者を務めるステファン・レールケ氏は活動停止を報告するメールの中で「Xの主張に対して法廷で反論するつもりである」「GARMを解散する決定は軽々しく下されたものではない。GARMは非営利であり、資源は限られている」と述べています。

GARMの解散が報道された後、Xのリンダ・ヤッカリーノCEOは「収益化されているものを小さなグループが独占できるはずがない。これは重要な認識であり、正しい方向へ向かうために必要な一歩である。私は、(GARMの解散が)エコシステム全体の改革が始まっていることを意味していることを願う」とポストしました。





なお、XはGARMの加盟企業の1つでしたが、一時的にGARMを脱退し、2024年7月1日にはGARMへの再加入を報告していました。





以下は、2024年8月7日(水)時点のGARMの加盟企業一覧ページのスクリーンショットです。TikTokやTwitchと並んでXのロゴも掲載されていることが分かります。



しかし、記事作成時点では加盟企業一覧ページそのものが削除されており、ページにアクセスしても404エラーが表示されてしまいます。