柔道男子81キロ級決勝で組み手を争う永瀬貴規【写真:ロイター】

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パリ五輪で永瀬が3大会連続メダル、大野氏「私ができなかったこと」

 パリ五輪は30日、柔道男子81キロ級決勝が行われ、30歳の永瀬貴規(旭化成)が世界選手権3連覇中のタト・グリガラシビリ(ジョージア)を下し、同級五輪史上初の連覇を達成した。2016年リオ五輪で銅、2021年東京五輪で金。日本人の柔道3大会連続メダルは60キロ級で3連覇した野村忠宏以来だった。

 永瀬は序盤から積極的に攻め、残り2分に小外刈りで技あり。1分12秒に合わせ技で一本を奪った。勝利直後は無表情。相手と360度に丁寧に礼を尽くし、畳を降りる際に絶叫。大粒の汗を流し、コーチと抱き合った。

 男子73キロ級の五輪連覇王者・大野将平氏は旭化成で同僚だった。生中継したNHKの解説を務め「永瀬最強説を証明してくれました」と称賛。これまで切磋琢磨し、何年も前から「永瀬こそが最強」と唱えてきた。しかし、度重なる怪我に悩まされ、日の目を見ない時期も続いた。

 そんな苦難を乗り越えて連覇を達成。3大会連続メダルの永瀬に、かつての最強・大野氏は「私ができなかったことですね。コメントができません。凄いの一言です」と感無量だった。さらに「私は道場で彼が隣りで稽古していると、彼が休まないので本当に嫌でした。寡黙で努力家の永瀬が報われると自分のこと以上に嬉しい」と喜んだ。

 一方、永瀬は中継インタビューで「ずっと勝てない時期が続いて、なかなか結果が出なかったけど、周りに支えられた。本当に感謝したい」とコメント。大野氏が最強説を唱えていたことを振られ、「いやいやいや。本当にいろんな人に鍛えられて、支えられて僕の今がある。感謝です」と謙遜していた。

(THE ANSWER編集部)