Photo: 山田ちとら

クルマと同じぐらいこだわりたい、タイヤの性能。

エンジンの駆動力を路面に伝えるのもタイヤですし、ブレーキをかけた時に制動力を発揮するのもタイヤですから、移動中の安全には欠かせません。だからこそ、どんな路面状態でも性能を発揮できるように、これまでは夏用タイヤと冬用タイヤ(スタッドレスタイヤ)とを季節ごとに履き替えるのが常識とされてきたわけですよね。

でも…正直タイヤを交換するのってめんどくさいし、タイヤを2セット揃えるのはコストも高いし保管スペースも必要。

そんな困りごとを見据えてダンロップタイヤが開発したのが、これまでのタイヤの常識をくつがえす「シンクロウェザー(SYNCHRO WEATHER)」です。

あらゆる路面に「シンクロ」するタイヤ

シンクロウェザーは、季節に合わせてタイヤの履き替えをしなくても済む、まったく新しいタイプのオールシーズンタイヤ。

なんでも、路面の状態に合わせてゴムの性質が切り替わる新技術「アクティブトレッド(Active Tread)」を世界で初めて搭載しているそうなんです。

原子レベルでの化学的イノベーション

アクティブトレッドとは、あらゆる路面状況に対応してゴム素材そのものが化学的に変化する特性を持たせた驚きの技術です。2つの「スイッチ」を組み合わせることで実現しているそうです。

まず、水スイッチ。

Image: 住友ゴム工業

ゴム内のポリマー間の結合の一部を共有結合からイオン結合に置き換えることで、ゴムの表面が水に触れるとやわらかくなり、ウェットな路面でもグリップ性能が向上するそうです。

イオン結合は水に溶解する性質があるためですね。開発するにあたって、ここが一番苦労した点でもあったそう。

Image: 住友ゴム工業

さらに、温度スイッチは、ゴム内のグリップ成分の一部をポリマーから切り離しても機能する材料に置き換える新発想を採用。

常温では夏用タイヤと同じぐらいの剛性感を持ちながらも、低温になると温度スイッチが働き、氷上路面でもやわらかさを維持し、グリップ力を発揮できるゴムに変わるそうです。

雪道での性能が認められたタイヤである証に、サイドウォールにはスノーフレークマークが刻印

ノイズと摩耗を抑える工夫も

タイヤのトレッドパターンもまたワザあり。新開発された深〜いV字溝設計は、排水性・排雪性の高さを実現しています。

さらに、最新のノイズシミュレーション技術を駆使し、形状の異なる2種類のブロックがデザインされています。それらのブロックが周上にランダムかつ最適な並び方に配置されることにより、タイヤから発生する周波数をコントロールし、低ノイズを実現しているそうです。

全体的に施されたサイピング(細かい波状の切り込み)は、雪道でも頼もしいエッジ効果を発揮しそう。

また、接地面全体を均一にすることで、タイヤの摩耗量を少なくしているとのことです。お財布にも、環境にもうれしいですね。

実際に真夏の都内を走ってみた

さて、そんな画期的なシンクロウェザータイヤですが、乗り心地はいかに?

GLC 220 d 4MATIC(ISG搭載モデル)に試乗させていただき、東京都内をドライブしてきました。

クルマの性能の高さもさることながら、非常に静かで安定した走りでした。ガソリン車なのに「え?これEVじゃないの?」と勘違いしてしまうほどの静粛性、スムーズな加速とブレーキング。

グリップ力もバッチリで、斜度が高めの道路にも難なく停車できました。

クルマでの移動体験が変わる

急な天候の変化や、それに伴う路面状態の悪化。クルマでの移動はワクワクする反面、不安もつきものです。

いつぞやは旅行先の北海道で季節外れの雪が降り出して、運転に不安を覚えたこともありました。あの時シンクロウェザーと一緒だったならどれだけ安心できたことか…!

そんな意味で、不安を軽減し、クルマで移動するワクワク感だけを増幅してくれるシンクロウェザーは、いままで行ったことのない場所や走ったことのない道にもチャレンジする力になってくれそうです。

対応している車種はセダン、ワゴン、SUV、ミニバン、コンパクトカー。あなたなら、シンクロウェザーと一緒にどこへ行ってみたいですか?

Source: 住友ゴム工業株式会社
Reference: 日本自動車タイヤ協会
Image: 住友ゴム工業株式会社
Photo: 山田ちとら