「しかのこのこのここしたんたん」がマルコフ連鎖で現れる確率がどれほど奇跡的なのかがわかる動画
おしおしお原作で2024年7月から放送中のTVアニメ「しかのこのこのここしたんたん」は、OP曲である「シカ色デイズ」の冒頭で繰り返される「しかのこのこのここしたんたん」のフレーズと振り付けがもたらす異様な中毒性で話題を呼んでいます。そんな「しかのこのこのここしたんたん」のフレーズがもしマルコフ連鎖なのであれば、一体どれほど奇跡的な確率で現れているのかがわかる動画が公開されています。
マルコフ連鎖とは、「P(Xt+1∣Xt,Xt−1,…,X1)=P(Xt+1∣Xt)」を満たすような確率変数の列のことです。簡単に言うと、「Xt+1」が「Xt」のみに依存し、「Xt−1」以前には関係なく現れる列のことを表しています。
これを「しかのこのこのここしたんたん」に当てはめると、「し」とその後に続く文字は「し→か」「し→た」の2通りで、確率はそれぞれ1/2です。「か」に続く文字は「か→の」だけで確率は1。「た」に続く文字は「た→ん」だけで確率は1。「の」に続く文字は「の→こ」だけで確率は1。「ん」に続く文字は「ん→た」あるいは「ん→○(列の終わり)」であり、確率はそれぞれ1/2。「こ」に続く文字は「こ→の」が1/2、「こ→こ」が1/4、「こ→し」が1/4となります。
文字にするとややこしいですが、図に表すとこんな感じ。動画ではこの法則の通りにマルコフ連鎖の列を生成し、「しかのこのこのここしたんたん」が出るかどうかを見守ることができます。
列の終わりに到達するまでをワンフレーズとして捉えると、動画最初のフレーズは「しかのこここしたん」。ちょっと惜しいような気がします。
続いては「しかのこしたん」
その次は「しかのこここしかのこのここここのこしかのこのこのここのこのここのこのこしたんたんたんたん」。パターンとしてあり得るとはいえ、あまりにも長すぎるフレーズが登場しました。
かと思えば、次は「したん」と最短で終わるフレーズ。文字の種類としては「し」「か」「の」「こ」「た」「ん」の6つしかなく、次に出る文字が直前の文字によってかなり制限されるにもかかわらず、相当な種類のパターンがあることが実感できます。
ずっと聞いていると、同じフレーズが連続するパートにも出くわします。動画開始から40秒で「したんたんたん」が3連続で登場。
動画開始から1分48秒で始まったフレーズは「しかのこのこのこのこしかのこのこのこしかのこしかのこのこしかのこここのこのこのこのこしたん」。
動画開始から2分30秒でこれまで最長の「しかのこしかのこしかのこのこのこのこのこここのこのここのこのこのここしかのこのこしかのここしかのここのこのこのこのここしかのここのここのここしたん」が登場。ずっと「し→か」のループが繰り返され、いつまでも「し→た」の遷移が現れずにやきもきさせられました。
ずっと動画を見ていると、いかに「しかのこのこのここしたんたん」が現れる確率が奇跡的なのかが理解でき、今度からOPを見るたびに感動してしまいそうな気分になりました。
なお、動画投稿者によると「今の状態が『し』なら、『しかのこのこのここしたんたん』の始まりである確率は1/512」とのこと。定常確率やフレームの長さを考慮すると、「しかのこのこのここしたんたん」は約11分に1回現れる計算になるそうです。
本家である「シカ色デイズ」の「しかのこのこのここしたんたん」を聞きたい場合は、以下で公開されている「しかのこのこのここしたんたん」ノンクレジットOP映像でチェックできます。なお、ノンクレジットOP映像の再生回数は記事作成時点で約1650万回に達しています。
TVアニメ「しかのこのこのここしたんたん」ノンクレジットオープニング映像『シカ色デイズ』 - YouTube
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