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OpenAIが半導体設計会社、特にBroadcomとの間で新しいチップ開発に関する協議を進めていることが報じられています。この動きはOpenAIがNVIDIAへの依存度を下げ、サプライチェーンを強化する取り組みの一環であり、AIモデルの運用に必要な部品やインフラの供給を増強することを目的としているとのことです。

OpenAI Has Talked to Broadcom About Developing New AI Chip - The Information

https://www.theinformation.com/articles/openai-has-talked-to-broadcom-about-developing-new-ai-chip

OpenAI and Broadcom in talks about developing new AI chip

https://www.ft.com/content/496a0c33-1af3-4dbf-977f-04d6804a8d28

Broadcom (AVGO) Shares Gain on Report That It’s Discussing Chip With OpenAI - Bloomberg

https://www.bloomberg.com/news/articles/2024-07-18/broadcom-gains-on-report-that-it-s-discussing-chip-with-openai

OpenAIはソフトウェアを開発する企業ですが、AIを動かすためにはソフトウェアだけでなく、高性能なハードウェアが必要となります。記事作成時点でAI向け半導体市場のシェアのほとんどをNVIDIAが握っており、特にデータセンター向けGPU市場にいたっては98%のシェアを独占していることがわかっています。

NVIDIAがデータセンター向けGPU市場で98%のシェアを独占していることが判明、AI性能が明暗を分ける結果に - GIGAZINE



脱NVIDIAを目指すOpenAIの取り組みはサム・アルトマンCEOが主導しており、チップメーカーやMicrosoftなどのパートナー企業や政府機関、投資家らと連携し、AIの計算能力を高めることを狙いとしています。ただし、Broadcomとの協議はまだ初期段階にあり、OpenAIは業界全体と対話を続けているとのこと。

さらに、経済メディアのBloombergによると、OpenAIは、Pixelシリーズに搭載されているTensorプロセッサの開発に携わったGoogleの元エンジニアの雇用も行っているそうです。

経済メディアのFinancial Timesの取材に対し、OpenAIは「私たちはAIのメリットが広く利用されるようにするために、必要なインフラへのアクセスを増やすことについて、一流のチップ設計者、製造業者、データセンターの実店舗開発者などと継続的に話し合いを行っています」と述べました。一方で、Broadcomはコメントの要請に応じていません。

AIの発展においてはチップの性能や電力供給が制限要因になっているといわれており、OpenAIもこの問題に積極的に取り組もうとしています。アルトマンCEOはすでに世界全体の半導体生産能力を拡大するために数百兆円規模の資金調達を計画しており、ソフトバンクの孫正義社長やUAEのタフヌーン・ビン・ザイード国家安全保障局顧問などと話し合いを進めていることが報じられています。

OpenAIのサム・アルトマンCEOが数百兆円という桁外れの資金調達を計画し「半導体業界の再構築」を目指している、すでに孫正義やUAEの有力者と会談しているとの報道も - GIGAZINE



OpenAIは人間の認知能力を超える汎用人工知能(AGI)の実現に向けて、さまざまな方法で自立性を高めようとしていますが、現時点でOpenAIがNVIDIAの技術力に追いつくためには莫大な資金が必要です。Microsoftからの130億ドル(約2兆円)の投資でも十分かどうかは不明で、さらなる外部からの資金援助や商業的パートナーシップが必要になると見られています。