英国行政機関に提出した書類で、居住地を英国から米国に変更したヘンリー王子。今後は米国を本拠地にする予定か(『The Prince and Princess of Wales Instagram「Farvel Denmark」』より)

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ヘンリー王子が、通常の居住地を英国から米国に変更していたことが明らかになった。王子は昨年、英国の住居フロッグモア・コテージを退去したことから、英国での住所を失った。王子が英国政府の行政機関に提出した会社登録の書類では、居住地の変更日はコテージからの退去が公表された日付になっているという。公式書類での居住地を変更したことは、今後米国を本拠地とし、英国に戻る予定がないことを示唆するともみられている。

ヘンリー王子とメーガン妃は2020年に王室離脱し、息子アーチー君(当時)を連れて米カリフォルニア州に移住した。2021年には娘リリベットちゃん(当時)も誕生し、現在はモンテシートの豪邸に家族4人で暮している。

チャールズ国王は2023年1月、ヘンリー王子の回顧録『Spare(原題)』の発売翌日、王子とメーガン妃の英国の住居であるフロッグモア・コテージからの立ち退き手続きを開始した。

そして同年6月29日、複数の現地メディアが毎年恒例の王室助成金(Sovereign Grant)の説明会で、枢密院のファイナンスを管理するマイケル・スティーヴンス卿が「サセックス公爵夫妻がフロッグモア・コテージを退去されたことを確認しました」と述べたと伝えた。

それ以来、ヘンリー王子は英国に一時帰国した際、友人宅やホテルに滞在していると報じられている。

そんな王子が、英国政府の行政機関「カンパニーズ・ハウス(Companies House)」に書類を提出し、正式な居住地を英国から米国に変更したことが明らかになった。カンパニーズ・ハウスは英国内の登録会社の住所や年次報告書、役員などの会社登記簿を管理する機関だ。

現地時間4月17日に公表された書類によると、会社名は「Travalyst」と記されている。同社はヘンリー王子が2019年、「Booking.com」「Visa」「TripAdvisor」などといった企業と共同設立したエコ・ツーリズム・ベンチャーで、「地球環境に優しい旅」の実現に向けたプロジェクトを行っている。

「Travalyst」の設立時に提出された書類では、ヘンリー王子が英国居住者として記載されていた。そして今回、新たな書類には変更が加えられ、「通常の居住国/州」が「米国」、「居住国の変更日」の欄は「2023年6月29日」と記されている。この日付は、ヘンリー王子夫妻が英国の住居フロッグモア・コテージを正式に退去したと公表された日だ。

ヘンリー王子は、カミラ王妃、ウィリアム皇太子、アンドルー王子、ベアトリス王女とともに、チャールズ国王の海外滞在中や体調不良の際に代理を務める「国務参事官(counsellors of state)」に選ばれている。

だがこの役割は、英国の居住者であることを基準とするため、生前のエリザベス女王から贈られたフロッグモア・コテージを明け渡した後、英国での住所を失ったヘンリー王子の地位についても疑問が投げかけられることになる。

チャールズ国王は2022年11月、王室公務から退いたヘンリー王子とアンドルー王子の代わりに、自身の妹アン王女と弟エディンバラ公エドワード王子を国務参事官に加えるよう、議会に要請した。

しかしのちに国王は、ヘンリー王子とアンドルー王子の解任を見送る決意をした。その理由について、国王はこれ以上家族間の緊張感を高めたくなく、どちらかが代理を要求されることはないだろうと考えたからだと伝えられた。

画像は『The Prince and Princess of Wales Instagram「Farvel Denmark」』より
(TechinsightJapan編集部 寺前郁美)