トヨタが「”凄い”セリカ」実車展示! めちゃ懐かしい「私をスキーに連れてって」仕様?「しょせん、四駆の敵じゃないね」とオジサンも歓喜!?

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ST165型「セリカGT-FOUR」の超有名モデルを再現!?

 ここ最近、SNSなどを中心にトヨタのスペシャリティクーペ「セリカ復活」の噂が流れています。
 
 そんななか、TOYOTA GAZOO Racing(トヨタガズーレーシング:以下TGR)が主催するイベントで、セリカの“レプリカ”モデルを出展され話題を呼びました。どのようなクルマなのでしょうか。

TGR雪上試乗イベント会場に展示された「わたスキ」レプリカの「セリカGT-FOUR(ジーティーフォー)」(ST165型)

 セリカは1970年に誕生したクーペモデルで、洗練されたデザインなどが若者を中心に支持を集め「スペシャリティカー」というジャンルを創造した草分け的存在です。

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 本格的なスポーツカーとは一線を画す存在でしたが、一方で優れた運動性能も確保し、世界ラリー選手権(WRC)などに代表されるモータースポーツ界で華々しい活躍もしていました。

 初代から3代目まではFR(後輪駆動)だったセリカですが、1985年登場の5代目(通称「流面形セリカ」)からはFF(前輪駆動)に刷新。

 翌1986年10月には、セリカ初のフルタイム4WD(四輪駆動)仕様の「セリカGT-FOUR(ジーティーフォー)」(ST165型)が誕生しています。

 パワートレインは、高性能な2リッター直列4気筒DOHCターボを搭載し、このセリカをベースにWRC(世界ラリー選手権)にも参戦して好成績を残しました。

 その後セリカは、7代目モデルが2006年に販売を終了して以来、今も絶版モデルとなっています。

 2024年2月に苗場スキー場(新潟県)で開催された、4WDスポーツモデル「GRヤリス」や「GRカローラ」のTGR雪上試乗イベント会場には、ST165型セリカGT-FOURをベースにしたレプリカモデルが展示され、注目されました。

 しかしGRヤリスなどのイメージにも通じるWRC仕様ではなく、映画「私をスキーに連れてって(以下、わたスキ)」仕様という珍しいレプリカとなっており、これが当時を知る世代を中心に熱い視線を集めたのです。

 わたスキといえば、原田知世の主演で1980年代に大ヒットした映画です。

 タイトルの通り、スキーにまつわる作品ですが、当時の若者たちのファッションなどが見事に反映されており、アマチュア無線機や防水カメラ、最新のスキー板、スキーウェアなどがオシャレな使い方とともに劇中で存分に紹介されているのも、バブル景気に向かう時代の空気を感じさせてくれます。

 そうした映画のシーンを彩る重要なアイテムのひとつとして、わたスキでは「クルマ」が大きな役割を果たしていたのもポイントでした。

 有名なのは、クライマックスシーンで「凍ってるね」の名セリフとともに、長野県の志賀高原から群馬県の万座まで、雪道やスキー場のゲレンデを、白いセリカGT-FOURがところ構わず爆走するシーンでしょう。

 ラリードライバー顔負けの、といってもスタントマンはラリードライバーだったようなので当然ですが、新車なのに大丈夫!? と観ている人が心配になるくらい、激し過ぎる走りを魅せてくれます。

 最新式の4WDスポーツカーが雪壁にぶつかりながらターンしたり、大ジャンプを魅せたり、最後には勢い余って横転してしまうのですから衝撃的でした。

 今なお話題にのぼるほどカッコいい、わたスキ屈指の名シーンですが、実はセリカGT-FOURの見せ場はここだけではありません。

「しょせん、四駆の敵じゃないね」

 例えば夜のオフィス街から出発するシーンでも、都心ど真ん中の道で見事なドリフトをしてみせたりと、セリカGT-FOURの鋭い走りをこれでもかと見せつけてくれます。

 東京都心でのこうした撮影は今ではまず見られないもので、その意味でもクルマ好きならDVDを繰り返し再生したくなる隠れた名シーンといえます。

映画「私をスキーに連れてって」で大活躍した「セリカGT-FOUR(ST165)」[写真は北米仕様の後期モデル]

 また、もうひとりの主役である文男(演:三上博史)が乗るFF(前輪駆動車)のカローラII(当時、原田知世がTVCMに出演していたコンパクトカーというのがまたツボです)が、積雪地に入りチェーンを装着するシーンも忘れてはいけません。

 後からやってきた四輪駆動車のセリカGT-FOUR(白)を駆る真理子(演じるのは原田知世の実姉である原田貴和子!)が「しょせん、ヨンクの敵じゃないね」といいながら颯爽と去る格好良さに「グッと来た」「四駆が欲しくなった」と感じた当時の若者は多いはずです。

 志賀高原のロッジまでタイムアタックをするもう1台のセリカGT-FOUR(赤)のヒロコ(演:高橋ひとみ)とともに、鮮烈な印象を残したのでした。

 なお白いセリカGT-FOURの“わたスキ”レプリカモデルが展示されたTGRイベント会場では、終始映画の挿入歌であるユーミン(松任谷由実)の「恋人はサンタクロース」や「BLIZZARD」が流れ、懐かしいムードをさらに盛り上げていました。

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 セリカ復活の噂は、決して単なる噂とも言い切れません。

 なぜなら、トヨタの社長が豊田章男氏から佐藤恒治氏に代わった際、SNSで「佐藤社長の夢は『セリカ復活』」として話題となったのがきっかけだったからです。

 会長となった豊田氏はその後「セリカが出るようにトヨタにお願いしている」とも語っています。

 今回の展示は、トヨタやTGRがセリカに対する強い思い入れがあることを暗示するものであり、今後の動向にも目が離せないところです。