80年代、子どもたちに大人気だった西川のりお

 漫才師・西川のりおが、1月18日に放送された『ますだおかだ増田のラジオハンター』(ABCラジオ)にゲスト出演し、「裁判に注力するため」として活動休止を発表した吉本興業の後輩、松本人志について言及した。

 のりおはこの日、時事ネタや話題を取り上げるコーナーに出演。最近の気になるお笑いニュースとして松本の報道をあげ、「僕も吉本いて53年、たちますけど、会社の初動ミスでしょう」と指摘。

「報道があったとき、事実無根って言うたでしょう。無根ということはゼロということ。根がないということ」としたうえで、「どういう風に言えばよかったかいうのはね、『とりあえず調べてみます。本人にも事情を聞いてみます』と言うたうえで発表したらいいのに、何を思うたんか『事実無根です』と言い放ったのが、大きく波紋を投げて」と、吉本興業の対応を批判した。

 さらに「まず、ほんとに自分に何もなかったら、休業することない。やましくないんやったら、活動休止とかせんでええわけで。それが『ひょっとしたら迷惑かかるかもしれんし』って、なんでかな?って。やましくなかったら裁判に打ち込む必要もないのよ。なんぼスポンサー降りた言うても、自分がシロやったら続けたらええんですよ」と、松本の活動休止という決断に疑問を投げかけた。

 のりおのこの発言に対し、SNS上ではさまざまな意見が投稿された。

《これ以上でも以下でもない、忖度も何もないこれが市民感覚やと思います》

《至極常識的な指摘なんだけど、これが特別に見えてしまうくらいにこの問題周辺の空気は荒れているわけで、その事自体が事の性質を幾分かは物語っている気がするな》

《事実関係は別として、全くのシロなら休業せずにテレビに出続ければいいというのは、人間の弱さを無視した話だと思うなあ》

 吉本興業に所属する芸人が、松本の性加害疑惑報道における事務所側の対応について、公然と批判的なコメントをするのは、これが初めてのこと。その理由について、芸能ライターは次のように述べている。

吉本興業が芸能界で現在の地位にあるのは、ダウンタウンの功績が理由のひとつです。その影響力は大きく、関西の先輩芸人たちにとっても批判は難しい。加えて、現社長は元マネージャーの岡本昭彦さんで、上層部で松本さんに意見できる人はほとんどいないと言われています。

 このような状況のなかで、のりおさんは若手芸人からも信頼が厚く、忖度なしに発言できる芸人として知られています。業界関係者からは、“吉本で数少ないまともな人”として評価されています」

 そんなのりおの人柄を象徴するエピソードがある。2009年10月3日に放送された『オールスター感謝祭』(TBS系)での出来事だ。

「島田紳助さんが、生放送中にもかかわらず、東京03にブチ切れた事件です。現場にはタレントがたくさんいたのに、激怒した紳助さんを止めようとする人はいませんでした。唯一、のりおさんだけが『やめろ!』と紳助さんを止めたのです」(テレビ局関係者)

 まだまだ長引きそうな、松本の性加害疑惑報道。のりおは今後も発信を続けるのだろうか。