原監督(写真:AP/アフロ)

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巨人の原辰徳監督が今季限りで退任することが、各メディアで2023年10月4日に報じられた。

今季は優勝争いに絡めず、CS争いにも敗れて4位に低迷した。同一監督による2年連続Bクラスは球団史上初。原監督は今季が3年契約の2年目だったが、道半ばで身を引くことになった。

後任人事めぐり賛否

後任の監督は阿部慎之助ヘッド兼バッテリーコーチが就任する可能性が高いと伝えられている。現役時代は強打の捕手として、8度のリーグ優勝、3度の日本シリーズ優勝に貢献。引退後は2軍監督、1軍でコーチを歴任してきた。

「内部事情に最も明るい。課題も知り尽くしているし、自然な人事ではないか」と評価する声が上がる一方、スポーツ紙デスクは「阿部コーチは原監督の路線を継承する形になる。阪神とチーム力に差がある中で、チーム再建の責任者として荷が重いのでは」と懐疑的な見方をする。

巨人は15年ぶりのリーグ制覇を飾った阪神との直接対決で、6勝18敗1分と大きく負け越し。投手力で大きな差があり、阪神がリーグトップの2.65に対して巨人はリーグ5位の3.42。特に不安定な救援陣は長年の課題で解消できていない。

チーム総得点は阪神がリーグトップの551得点で、巨人はリーグ3位の522得点。チーム本塁打は164本で阪神の82本の2倍だが、本塁打以外で得点を取る戦略が見えず、機動力がないため相手バッテリーが守りやすかった。

原監督の後任候補として、桑田真澄ファーム総監督、ソフトバンクの監督で黄金時代を築いた工藤公康氏が挙げられていたが、球団フロントは阿部コーチにチーム再建を託すことを決断した。「球界の盟主」は復活できるだろうか。(中町顕吾)