痛恨だった“完全解体”というエ軍の苦境にトラウトが本音を吐露「僕も驚かされた」 大谷翔平との未来は「何も喋ってない」

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大谷(左)とはコミュニケーションは取っているというトラウト(右)。彼は球団への苛立ちを隠そうとはしなかった。(C)Getty Images

 積極果敢な補強が裏目に出て、踏んだり蹴ったりの状態となっているエンゼルス。そんな自軍の状況に主砲も頭を悩ませた。

 現地9月2日、エンゼルスの地元紙『Orange County Register』は、チームの大黒柱であるマイク・トラウトがフロントとの話し合いを行う意向を示したと報道。「オフシーズン中にその(エンゼルスの将来についての)話題が持ちあがったら、間違いなく話をしないといけないし、考えないといけない」という本人のコメントを伝えた。

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 トラウトが言葉を強めるのも無理はない。今のエンゼルスは何をやっても上手くいかない状況に陥っている。

 今夏のトレード市場で積極補強に踏み切ったエンゼルスだったが8月は8勝19敗と大失速。悲願のポストシーズン進出が絶望的な状況となった。さらに贅沢税の課税ラインを回避するべくチーム総年俸を削減のために、主力選手へのウエーバーを行使。ルーカス・ジオリト、マット・ムーア、レイナルド・ロペス、ドミニク・リオーネ、ハンター・レンフローを揃って放出したのだが、ランダル・グリチェクが残留したために回避に失敗している。

 今オフにFA(フリーエージェント)となる大谷翔平が仮に他球団へ移籍したとしても、贅沢税の課税ラインさえ下回っていれば、ドラフト2巡目の補償指名権を獲得できていた。しかし、狙いが外れて回避できなかったために、補償される指名権も4巡目以降となった。これはプロスペクトランキングでMLB全体28位の評価を受けているチームにとっては、まさに痛恨と言うべき事態である。

 にっちもさっちもいかない状況だ。そんなエンゼルスの“完全解体”にトラウトは、「みんなと同じさ。僕も驚かされた」と漏らし、39歳になる7年契約が続くチームとの未来について「冬には(球団と)話をすることになるのは確実だ。ありとあらゆるチームの方向性、そしてプランがどういったものかを知るためにね」と不安を口にした。

 そして、トラウトはFAでの退団が濃厚視されている“盟友”大谷については「(大谷が自身のFAについてどう思っているかは)彼にはあまり話を聞いていない」と率直に告白。そのうえで、自身の考えを明らかにしている。

「結局のところ、大事なのは彼が何を求めているかということだ。でも、僕はその件について彼は何も喋っていないよ」

 さらに「今シーズンは身体の調子が一番良かったんだ。良かったのに、怪我をしてしまった。間違いなく最悪な気分だし、もどかしい」と振り絞ったトラウト。その言葉にはチームに対する責任感が滲み出ていた。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]