女子やり投げ決勝に出場した北口榛花【写真:奥井隆史】

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陸上・日本選手権

 8月のブダペスト世界陸上などの代表選考会を兼ねた陸上・トラック&フィールド種目の日本選手権第2日が2日、大阪・ヤンマースタジアム長居で行われた。女子やり投げ決勝では、昨夏の世界選手権で銅メダルを獲得した日本記録保持者・北口榛花(JAL)が59メートル92で2位。3連覇を逃し、試合後の取材対応では号泣しながら苦悩を明かした。斉藤真理菜(スズキ)が61メートル14で優勝した。

 雨の降る中での競技。1投目にで59メートル92をマークしてトップに立つも。その後は記録を伸ばせなかった。競技後のテレビインタビューでは「日本人には負けてはいけないと思ってやっていたので悔しい。一つの結果なので次の試合に向けて頑張りたい」と涙ぐんでいたが、取材対応では大粒の涙を流した。

「結果は凄く残念ですし、一本も思い描いたものに近い投てきすらできなかった。もう一回作り直さないといけない」と振り返り、「ゴールデングランプリ(GGP)でタイミングがずれて、自分なりに修正してきたが……うーん……。こうやったら飛ぶっていうのは分かっているんですけど、それをやると飛ばなくて。でも、それができるようになれば絶対飛ぶってわかってるんですけど、そうやって投げられないのがちょっと苦しいです」と声を震わせた。

 理想と現実の乖離に苦しんでいるようで「GGPでも、見た目は凄くよくなって、近づいていると言われるけれど、見た目が良くても距離が飛ばないといけないので……距離が欲しい時に、思い描いていない方の投擲をしないといけなくなる。難しいです」と胸中を明かした。涙は止まらず「どうしたらいいか分からない感じ」とも表現した。

「自分ではもっと投げたいですし、今までの自分を絶対超えたいという気持ちがあるので、前と同じ自分の投げでは成功じゃないんじゃないかと感じている。2か月あるし、ヨーロッパに行けるので、試合に出ながら。世界選手権ではこういうことを言わないようにしたい」と現状からの脱却を誓った。

(THE ANSWER編集部)