Microsoft BingのAIチャットには「ゲームモード」「友だちモード」など隠し機能が搭載されていると判明
Microsoftの検索エンジン・Bingに、OpenAIの大規模言語処理モデル「Prometheus」をベースにした「Bing Chat」というAIチャットが2023年2月に組み込まれました。このBing Chatを使うことで、まるで人間と会話するように文章ベースで情報を検索することが可能なのですが、Microsoftがコマンドを入力することで使える「ゲームモード」「友だちモード」などの隠し機能を検討していることが判明しました。
https://www.bleepingcomputer.com/news/microsoft/bing-chats-secret-modes-turn-it-into-a-personal-assistant-or-friend/
セキュリティ系ニュースサイトのBleeping Computerによると、記事作成時点で一部のユーザーに先行公開されている「新しいBing」のBing Chatを使っていると、「コマンドまたは設定を使用して、データの一部を変更可能です。例えば『#language』と入力してオプションから選択することで、言語を変更できます。また、『#mode』と入力してオプションから選択することで、チャットモードを変更することもできます」とBing Chatが答えたとのこと。
さらにコマンドについてBing Chatに尋ねたところ、以下のコマンドを提示したそうです。
#mode:このコマンドを使うとチャットモードを変更できます。チャットモードは「シドニー」「アシスタント」「友だち」から選ぶことが可能です。
#language:このコマンドを使うと言語を変更できます。選択できる言語は英語・中国語・日本語・スペイン語・フランス語・ドイツ語です。
#help:このコマンドを使うと、コマンドのリストや説明をもう一度表示できます。
#reset:このコマンドを使うと、Bing Chatとの会話をリセットして最初からやり直すことができます。
チャットモードのうち、「シドニー」モードはBing検索とチャットAIを使って質問に回答するBing Chatのデフォルトモード、「アシスタント」モードはユーザーのパーソナルアシスタントとしてメールの送信やリマインダーの設定などのタスクをこなせるモードだとのこと。
そして、「友だち」モードはユーザーの友だちとして趣味や感情について会話するモードになっているそうです。
Bleeping Computerは「#mode」で変更できるチャットモードについてさらに掘り下げてみたところ、なぜかBing Chatがデバッグモードに切り替わったようで、試験中である「ゲーム」という新しいチャットモードの存在も明らかになったとのこと。この「ゲーム」モードでは、Bing Chatがちょっとした豆知識を話してくれたり、○×ゲームやハングマンを遊んだりしてくれるそうです。ただし、Bing Chatによれば、「シドニー」モード以外はあくまでもデバッグモードあるいは開発者モードが有効になっている場合のみ動作し、記事作成時点ではMicrosoftの従業員だけがアクセスできるとのこと。
なお、Bing Chatのデバッグモードに期せずしてアクセスしてしまったBleeping Computerのアカウントは、Microsoftからアクセス禁止の処分を受けてしまったとのこと。Bleeping ComputerはMicrosoftにBing Chatのチャットモードについて問い合わせましたが、Microsoftはコメントを拒否したそうです。