東池袋一丁目再開発の完成イメージ(住友不動産など発表資料より)

写真拡大

 東京都豊島区の東池袋一丁目地区で市街地再開発組合の設立が小池百合子東京都知事から認可され、正式に発足した。再開発組合と組合員の住友不動産が明らかにしたもので、イベントホールなどが入る大規模複合施設を建築するとともに、池袋駅前公園や周辺道路を再整備して池袋の玄関口にふさわしい姿に生まれ変える。

【こちらも】東京・赤坂で市街地再開発組合が発足 共同住宅・オフィス・店舗の複合開発へ

 大規模複合施設の予定地は、池袋駅北東側の明治通りとJR線路敷に囲まれた約1万平方メートル。施設は地下3階、地上33階建て延べ約15万5,000平方メートルで、高さ約180メートル。オフィス、文化体験施設、イベントホールなどの入居を予定している。「国際アート・カルチャー都市」を目指す池袋の象徴となる文化・交流拠点とする。

 豊島区が運行し、池袋駅周辺の4つの公園と主要施設を巡る小型電気バス「イケバス」の運行拠点を施設内に設け、駅周辺の回遊性を向上させる。池袋駅から池袋駅前公園を経て施設の建設予定地までは、約500メートルの「緑のプロムナード」として整備し、途中のパークセンターにカフェや観光情報案内センターを入れる。建設予定地に隣接して憩いの空間になる「みどりの丘」も整備する。着工は2023年度、完成は2027年度の予定。

 予定地は特定都市再生緊急整備地域内に位置するが、大規模未利用地が残って有効利用できていない状況が続いている。老朽化した建物も多く、防災面からも大きな課題になっていた。

 駅前には大規模商業施設やアニメ関連など多様な文化施設があるものの、周辺は体験施設や歩行者空間が少なく、池袋の玄関口の役割を十分に果たせていない。

 このため地権者らは、2017年3月に再開発準備組合を設立して本格的に地域の再開発計画に着手。その後、2020年10月に計画が都市計画決定を受けていた。