ジャック・ドーシー氏率いる仮想通貨事業であるTBDが、Web2やWeb3を超える新しいインターネットを構築するプロジェクト「Web5」を発表しました。

Web5 | TBD

https://developer.tbd.website/projects/web5/

Jack Dorsey's Bitcoin venture TBD unveils proposal for decentralized Web platform

https://www.theblockcrypto.com/linked/151407/jack-dorseys-bitcoin-venture-tbd-unveils-proposal-for-decentralized-web-platform

Squareから社名を変更した決済サービス・Blockの仮想通貨部門であるTBDが2022年6月10日に、「Web5」と呼ばれる分散型ウェブプラットフォームを構築する計画を発表しました。

TBDが発表したプレゼンテーション資料には、「(Web2),(Web3)→(Web5)」と書かれていることから、「Web5」はWeb2とWeb3を足し合わせた概念だということがうかがえます。



現状のインターネットについて、TBDはプロジェクトの公式サイト上で「ウェブは情報交換を民主化しましたが、アイデンティティという重要なレイヤーが欠けています。私たちは、何百ものアカウントと覚えきれないパスワードにわずらわされながら個人情報を守っていますが、今日のウェブ上ではアイデンティティと個人情報が第三者の所有物になってしまっているのです」と指摘しています。

その上で、Web5について「Web5は、アプリケーションに分散型のアイデンティティとデータストレージを提供します。これにより、開発者は楽しいユーザー体験の創造に集中することができ、同時にデータとアイデンティティの所有権を個人の手に返すことができます」と説明しました。

TBDはWeb5のプラットフォームについてさまざまな提案をしており、その中でも特に「検証可能な資格情報」のためにビットコインのブロックチェーン上に構築された分散型ID(DID)システムであるIONのプロトコルを利用している点が特徴的です。



ドーシー氏率いるTBDが「Web5」実現に向けたプロジェクトを発足させた背景には、Web3への疑念があります。ドーシー氏は以前、分散化技術を基板とした次世代インターネット構想のWeb3について、「Web3はみんなものではなく、ベンチャーキャピタル(VC)や投資者(LP)のものとなっている」と指摘し、大企業に個人情報を支配されている現状からの脱却を目指すはずのWeb3が一部の投資家のものになっていることを非難していました。

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by TED Conference

発表に際し、ドーシー氏はTwitterで「これはおそらく、インターネットに対する我々の最も重要な貢献となることでしょう。このチームを誇りに思います」とコメント。ツイートに「RIP web3 VCs(安らかに眠れ、web3のベンチャーキャピタルたち)」と付け加えました。