弁当を食べる際も、グラウンドへ向ける鋭い視線は変わらず。一部の選手には声をかけて談笑していた(写真・朝日新聞)

「レベル高いねー。まだまだみんなできるじゃん!」

 12月8日、真っ白のロングダウンを着用し、西武ドームに姿を見せたのは「ビッグボス」こと日本ハムの新庄剛志監督(49)だ。

 この日は12球団合同のトライアウト。選手たちがプレーを始めると、新庄はバラエティ番組では目にすることがない真剣な表情で、選手たちを見つめていた。

「隣に座った稲葉篤紀GMと意見を交換しながら、頻繁にメモを取っていたのが印象的でした」(スポーツ紙記者)

 パフォーマンスは派手だけど、野球には人一倍真面目――。このギャップには、徹底した管理野球で名を馳せた球界のレジェンド・広岡達朗氏(89)もメロメロだ。

「あいつはただのバカじゃないよ。彼がやろうとしていることは、野球界の改革なんですよ。だいたいね、新庄以外でトライアウトに足を運んだ監督がいるかい? シーズンが終わって暇なはずなのに、誰も現場にいない。そういう点でも新庄は “上” ですよ」

 そうベタ褒めし、新庄の指導力に大きな期待を寄せていると明かした。

「彼はね、阪神に入団したときから、イチローよりもセンスがよかった。肩も足も頭もいい。今の監督やコーチは、具体的に『こうしたらうまくなるからやれ』と指導できてない。でも彼は勉強しているからそれができる。もし彼が改革に成功したら、他球団の監督やコーチは全員クビだ!」

 広岡氏も夢中になる “ビッグボスフィーバー”。だが、12月2日号の『週刊文春』は、この熱狂に水を差すある “亀裂” を報じていた。

「日ハムは、西川遥輝外野手(29)、大田泰示外野手(31)、秋吉亮投手(32)と契約更改をおこなわないと発表しました。新庄と稲葉GMの関係は特別良好なわけではなく、この人事は、強い権限を持つ稲葉GMの独断であり、新庄は逆らえない、という趣旨でした。稲葉GMと新庄はツーカーの仲で、二人三脚で歩んでいるという見方が大半です。それを裏切る報道は、衝撃的でした」(スポーツライター)

 だが本誌は、前出のトライアウトで、この不仲説を一蹴する新庄の “独り言” をキャッチした。

「稲葉GMが離れ、日ハム関係者と新庄が2人きりになった際、『僕より稲葉さんのほうが見る目ありますよ』と稲葉GMに心底、感心したように話していたんです。この様子なら、2人の仲を心配する必要はない」(トライアウト関係者)

 さらに、トライアウトを取材していた本誌記者は、球界を虜にする新庄の魅力に図らずも生でふれることになった。

 14時過ぎ、33選手のプレーがすべて終わったときだった。足早にスタンドを後にした新庄は裏手の喫煙所へ。そこで新庄は、本誌記者に「喫煙所ってここですか? ここの中でたばこ吸って大丈夫?」と、丁寧に声をかけてきたのだ。

 一服しながら、「どこの媒体なんですか?」と問いかけられたので、名刺を手渡すと、「『FLASH』……。あれ、なんか撮ってたよね?」と新庄。

 ギクッ! 本誌は今年5月に、伊豆の修善寺にある一泊5万円の高級温泉宿で、新庄が金髪美女と一泊デートしていたところをキャッチしていたのだ。当時は所属事務所から「お答えすることはありません」と、けんもほろろな回答を受け取ったが……。

「温泉、撮ってたよね。でももう行かないよ(笑)」と新庄は笑みを浮かべ「春のキャンプにもおいでよ」と話した。

 ゴシップを報じられても誘ってくれるとは、ビッグボスの器は、なんて “ビッグ” なんだ!