輸出入企業を含め10社未満にとどまる

 2021年10月現在、スーダン共和国に進出している日本企業は2社、直接の輸出入を行う企業は6社判明した。この結果、スーダンでビジネスを展開する日本企業は進出・輸出入含めて10社未満にとどまり、同国での日本企業の活動はほとんどみられなかった

 帝国データバンクが保有する企業データを基に、スーダン国内でビジネスを行う企業を調査した。進出企業では、現地生産などを手掛ける企業は判明せず、医療サービス提供や資源開発など支援事業が中心だった。輸出入を手掛ける企業のうち、直接の輸入品目はアラビアガムなどの天然資源や食品などだった。輸出品目は、自動車など機械類が中心となっている

クーデターの影響、当面は事態の注視にとどまる

 北アフリカのスーダンは人口4000万人を超えるアフリカの一大市場で、経済発展のポテンシャルが大きい。ただ、同国では政情が不安定なほか、法整備の遅れなどによりアフリカ諸国の中でも投資リスクが高いこと、アメリカ合衆国によるテロ支援国家指定が高い壁となり、2020年の解除を待つまで積極的な進出が見合わせられた経緯がある。

 現時点では、日本企業のスーダン進出やスーダン企業との取引社数はほとんどゼロにとどまっているほか、輸出入をあわせた日スーダン間の貿易額もさほど大きくない。当面は「事態を見守る必要がある」との指摘もあり、日本企業への影響は今のところ軽微にとどまるとみられる。